日本ポピュラー音楽学会 2021年度第4回オンライン例会
卒業論文・修士論文構想発表会
卒業論文・修士論文構想発表会を下記の通り開催いたします。
ZoomのURLは、会員向けにメールニュースにてお知らせいたします。
非会員でも参加可能です。ご希望の方は、以下のフォームから申込をお願いします。
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSfPVpG4YvEcFoC66bs8cw5-FwtX6pbDuXtZEq-70iwG4SDKog/viewform?usp=sf_link
みなさまのご参加をお待ちしております。
日時:2021年10月16日(土) 10:00~17:00 Zoomにて開催
10:00~
発表1
「1960年代後半の日本のフォーク・ソングの「民衆」をめぐる対立と模索(仮)」
孫長熙(ソン・ジャンヒ)(大阪大学大学院 文学研究科 音楽学研究室 博士前期課程)
要旨:戦後日本の大衆音楽史のなかで「民衆思想」と結びついた珍しい事例だった1960年代後半のフォーク・ソング(Folk Song)を巡り、1940年代生まれのフォーク歌手や彼らより年上の1930年代生まれの様々な主体によって行われた言説の分析を通して、当時の「民衆論」における対立や模索を考察する。
11:00~
発表2
「歌う声と政治――「一緒に歌う身体」を手がかりに」
星川彩(東京都立大学大学院 人文科学研究科 文化基礎論専攻 表象文化論教室)
要旨:本研究の目的は、具体的な事例の考察を通じて、歌う声が持つ政治的な側面の一端を明らかにすることである。小論では特にCOVID-19流行下のさまざまな音楽実践における歌声と、1969年に行われた反戦集会である「フォークゲリラ」における歌声に注目し、両者の比較検討を通じて、「一緒に歌う」という行為に関わる身体のありようを考察する。
12:00~14:00
休憩
14:00~
発表3
「邦楽ロック雑誌の批評機能に関する考察(仮)」
菊池 虎太郎(大阪大学文学部人文学科音楽学専修)
要旨:音楽雑誌は、ポピュラー音楽の「送り手」と「受け手」の仲介者(=メディア)として、批評の回路を経由させることでそこに意味づけを行う役割を担ってきた。国内においても、ロック音楽の専門誌が戦後期~高度経済成長期を通じて広く購読され、日本におけるロック音楽の聴取態度に多大な影響を与えてきた一方で、90年代以降にはその批評の言説は退潮したとされている。卒業論文では、90年代以降の邦楽ロック専門誌を取り巻く言説に注目し、現代のインターネットメディアに通じる批評機能の連続性を抽出したい。
15:00~
発表4
「クィアの視点から見るヘヴィメタル」
染谷留花(武蔵大学人文科学研究科欧米文化専攻 博士課程前期)
要旨:ヘヴィメタルは家父長制社会における支配的な男性を描く、異性愛中心的な音楽文化と評されることがある。しかしヘヴィメタルにおけるクィア当事者はヘヴィメタルそのものが「ゲイエロティック」であり「クィアへの差別や偏見に立ち向かうパワーを持つ」と解釈する。本研究ではそのような性的マイノリティによる「能動的な読み」に注目するにあたり、先行研究の紹介も交えてヘヴィメタルがクィア・スタディーズの対象となることを示す。
16:00~
発表5
「インターネット上のイデオロギー対立と「サイレント・マジョリティ」とのあいだの分断
――RADWIMPS「HINOMARU」の受容態度から考える現代日本の公共圏」
平寧々(関西大学大学院社会学研究科マス・コミュニケーション学専攻博士課程前期課程)
要旨:本研究では、インターネット上のイデオロギー対立と「サイレント・マジョリティ」とのあいだに分断があるのではないかという問題意識のもとで、RADWIMPS「HINOMARU」を事例にインタビュー調査をおこなった。本発表では、「サイレント・マジョリティ」のうち、音楽に政治を持ち込むことを拒否し、中立的に楽しもうとする人びとについて紹介する。「音楽と政治」の問題系を通して、現代の公共圏とその参加者について検討したい。
昼休み中と例会終了後にオンライン懇親会を予定しています。
お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
輪島裕介(研究活動担当理事) yskwjm[at]gmail.com