The Japanese Association for the Study of Popular Music

2012年第2回関西地区例会

関西地区で、研究例会を下記のとおり開催します。

日時: 6月9日(土曜)16時~19時
会場: 関西学院大学 大阪梅田キャンパス 10階1002号室
(大阪市北区茶屋町19-19アプローズタワー10階 受付TEL: 06-6485-5611)
アクセス: 阪急「梅田駅」茶屋町口改札口から北へ徒歩5分。
JR「大阪駅」御堂筋出口から徒歩10分、地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩7分、「中津駅」から徒歩4分。
地図: http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/index.html

発表1: 音と映像との「対位法(コントラプンクト)」再考――初期トーキー映画理論を軸に
発表者: 長門洋平(国際日本文化研究センター機関研究員/京都外国語大学非常勤講師)
要旨: 映画の音楽をめぐる理論的言説において、音と映像との対位法という概念は一般に「特定の映像に、あえてその意味内容とは対照的な印象を持つ音楽をかぶせることによって映像の意味を強調する、あるいは新たな意味を付与する手法」と理解されることが多い。しかしながらこの考え方は、本来の音楽理論としての「対位法」とはその概念構造が微妙にずれている。さらに、1920~30年代の「トーキー革命」期に大きく喧伝されることにより世界的に波及したこの用語は、必ずしも常に対照性(コントラスト)を含意していたわけではなかった。本発表では、主に以下の論点に注目しながらこの概念を再検討・整理する。①対照性、②映画を構成する各要素の自律性、③「垂直モンタージュ」あるいは「ポリフォニック・モンタージュ」、④異化効果、⑤映像のナラティヴ、音響のナラティヴ、⑥「効果」のベクトル、⑦フレーム外の音とその深度。

発表2: 「腹話術」としてのポピュラー音楽――クルーニング唱法を手がかりに
発表者: 秋吉康晴(神戸大学大学院人文学研究科博士後期課程)
要旨: 1920 年代末に登場した「クルーナー」、なかでもルディ・ヴァレーとビング・クロスビーは、20 世紀のポピュラー音楽史においてある特別な地位を与えられてきた。それはマイクロフォンを忠実な複製の媒体ではなく、ひとつの「楽器」と見なし、テクノロジーに根ざした歌唱のスタイルを確立したからであるとされる。それでは、「クルーニング唱法」とそれ以前のテクノロジーに依存しない歌唱スタイルは、受容経験においてどのように異なっていたのだろうか。本発表ではこの問題を声から聞きとられる歌手の身体性という観点から考えてみたい。そのために本発表では「声のきめ」(ロラン・バルト)を批判的に検討し、バルトの問題を乗り越えるための手がかりとして「腹話術」(ジェイソン・トインビー)という観点を導入して考察したいと思う。

研究会終了後には懇親会も予定しています。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

問い合わせ先:安田昌弘(研究活動担当理事)
yasuda_at_kyoto-seika.ac.jp (_at_をアットマークに変えてご送信ください)

2012年第2回関東地区例会

関東地区では、5月25日(金)に例会を開催します。

今回は海外から日本に滞在中のお二方にご登壇頂きます。奮ってご参加ください。

日程:2012年5月25日(金)18:30-20:00頃
会場:東京芸術大学 北千住キャンパス 音楽学部音楽環境創造科 第一講義室
地図:http://www.geidai.ac.jp/access/senju.html

登壇者:Noriko Manabe (Princeton University), Martin Roberts (Independent Scholar) 
司会:毛利嘉孝(東京芸術大学)

1) Noriko Manabe (Princeton University)
Title: Toward a Typology of Intertextuality in Protest Songs: Revolution Remixed in Antinuclear Songs of Post-Fukushima Japan
Abstract:
Despite Hiroshima and Nagasaki, Japan has pursued a program of expanding nuclear power, enabled by tight relationships among the electric power companies, central and local governments, and the media that go back to the beginning of the Cold War. Since Fukushima, public opposition to nuclear power has grown widespread in the face of the perceived lack of trustworthy, timely information on radiation from officials. Nonetheless, the mainstream media has carried little non-official information and ignored protests, while some antinuclear figures have suffered consequences. Under these circumstances, music—in sound demonstrations, performances, and cyberspace—has emerged as an important conduit for the voicing of antinuclear sentiments.
Protest songs, by their very nature, are highly intertextual; they refer to current issues either directly (e.g., through lyrics that quote officials) or obliquely through metaphors. In addition, they often refer to historical movements, thereby accessing the listener’s feelings about that movement and compounding the songs’ power through semantic snowballing (cf. Turino). Classifying types of intertextuality would be useful for analyzing how musicians choose to convey their messages, and how they are received.
Using Genette’s classification of transtextuality as a starting point (with references to Lacasse), I formulate a typology of intertextuality for protest songs. These types include hypertextual covers (with changed lyrics), remakes and reinterpretations, mash-ups, metaphors, and allegories; intertextual quotations; paratextual uses of promotional or concessionary materials; and architextual adaptations of style for strategic purposes. In order to analyze reception, I overlay Peircean models of how signs take on meaning and are interpreted. My analytical process considers signifying parameters (e.g., texts, music, performance, visuals), referred events, and dynamic responses.
I apply this process to analyze the music of the Japanese antinuclear movement post-Fukushima, overlaying findings from interviews with artists and protesters, to describe the methods by which musicians deliver their antinuclear messages. Through writing new lyrics to existing songs, quoting hip-hop classics by Gil Scott-Heron and Public Enemy, performing satirically as electric-power officials, adapting light-hearted matsuri (festival) styles, or using metaphors (e.g., Godzilla), musicians comment on nuclear policy and draw parallels between this movement and World War II, antiwar protests, and African-American struggles.

2) Martin Roberts (Independent Scholar)
Title: THE SMALLEST MUSIC IN THE WORLD: VIDEOGAME SUBCULTURES AND NOSTALGIA FOR THE FUTURE
Abstract:
This paper addresses the emergence over the past decade of a new kind of digital musical object which I call nanomusic. Variously known as 8bit, blip-hop, or chiptune music, these new musical objects originated through the hacking of the sound-cards of vintage console video games produced by companies such as Atari and Nintendo, and were aesthetically inspired by their soundtracks. In recent years, the rapid growth of mobile software development and social networking sites have intensified the production and exchange of such musics, which are today the focus of a thriving subcultural community in the U.S., Europe, and Japan. The paper will consider nanomusic in relation to three main areas: new media histories, including mp3 and other digital music formats, peer-to-peer networking, and mobile technologies; DIY culture, hacking, and subcultural resistance; and recent critiques of the “retromania” of postmodernist media culture. Attention will also be given to questions of aesthetics, notably hybridization with other forms of popular music, and performance at festivals and other live-action venues.

問い合わせ先:安田昌弘(研究活動担当理事)
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2012年第1回関西地区例会

関西地区で、研究例会を下記のとおり開催します。

日時: 5月19日(土曜)16時30分~19時30分
会場: 関西学院大学 大阪梅田キャンパス 10階1005号室
(大阪市北区茶屋町19-19アプローズタワー10階 受付TEL: 06-6485-5611)
アクセス: 阪急「梅田駅」茶屋町口改札口から北へ徒歩5分。
JR「大阪駅」御堂筋出口から徒歩10分、地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩7分、「中津駅」から徒歩4分。
地図: http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/index.html

発表1: 混淆・越境・オリエンタリズム――「玫瑰玫瑰我愛你」(Rose, Rose, I Love You)の原曲とカヴァー・ヴァージョンをめぐって
発表者: 西村正男(関西学院大学社会学部)
要旨: 1940年に上海で姚莉によって吹き込まれた「玫瑰玫瑰我愛你」(陳歌辛作曲)は、洗練されたアレンジと中国風のメロディラインで好評を博した。この曲が世界的に有名になったのはフランキー・レインによるカヴァー・ヴァージョンで、ビルボード・ヒットチャート3位に入るヒットとなった。本発表では、同曲のオリジナルと幾多のカヴァー・ヴァージョンを比較し、また台湾やシンガポールにおける受容のされ方を比較検討することにより、西洋の東洋に対するオリエンタリズム的眼差しや、東洋でそのような眼差しが内面化されていく様相を浮き彫りにしたい。

発表2: 弘大前インディ文化の構造転換
発表者: 高原基彰(関西学院大学社会学部)
要旨: 「弘大前」は、90年代半ば以後、韓国・ソウルにおいて、サブカルチャーの中心とされてきた場所である。本報告では、この場所の帯びてきた意味性の変化を跡付けることとしたい。具体的には、2002年の日韓共催ワールドカップを契機とした、文化的都市開発の盛り上がりの中で、弘大前文化に仮託されてきた政治的イデオロギーが希薄化していったこと、それが音楽的実践や業務形態の変化(ライブハウスからクラブへ)をともなっていたこと、そして弘大前のさらなる振興が目指される中で生じたこれらの変化が、結果的にこの場所の地盤沈下傾向をもたらし、現在でもそれが続いていることを指摘したい。

研究会終了後には懇親会も予定しています。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

問い合わせ先:安田昌弘(研究活動担当理事)
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2012年第1回関東地区例会

関東地区では、修士論文発表会を下記の通り開催します。

【関東地区例会 修士論文発表会】
日程:2012年3月25日(日)15:00-17:30
会場:法政大学大学院 政策創造研究科 新見附校舎 A501教室
アクセス:市ヶ谷駅または飯田橋駅より徒歩
地図:http://chiikizukuri.gr.jp/access.html

発表:
1)「ライナーノーツ研究」
発表者:高橋聡太(東京芸術大学大学院音楽研究科音楽文化学芸術環境創造領域修士課程)
時間帯:15:15~16:15
発表要旨:
 音盤に付された解説書であるライナーノーツは、レコードやCDとともに広く世に出回り、多くの人々に読まれている。とりわけ英米のロック・アルバムが日本盤としてリリースされる際に書きおろされるライナーノーツでは、一般的なレコード評とは異なる独自の批評文化が育まれてきた。
 しかし、ライナーノーツを重点的に取り上げた研究は過去に類を見ない。ライナーノーツはアルバムを聴く際にざっと読まれるものであり、その影響は意識されにくい。また、録音媒体/ジャンル/リリースされる地域/リリースされるタイミングといった要因によって規定されるライナーノーツの形式と内容は、アルバムごとに異なる相貌を見せるため、一概には捉えられない。
 こうした問題点を念頭に置いた上で、本研究ではロック日本盤のライナーノーツに対象を限定した文献調査を実施。曖昧な読まれ方ではなく書き手の確固たる意識に目を向け、決まった定義を与える代わりに時代ごとの変化を追うことによって、ライナーノーツに関する包括的な理解の構築を試みた。
 今回の発表では、修士論文全体の論旨をふまえた上で、過剰なまでの肯定性を特長とする今日的なロック日本盤ライナーノーツが、ライナーノーツ文化全体の中どのように位置づけられ、どのように生まれ、どのような歩みを辿ってきたのかを報告する。

2)「日本におけるネットレーベルの活動─音楽コンテンツの生産・流通とコミュニティの形成─」
発表者:日高良祐(東京芸術大学大学院音楽研究科音楽文化学芸術環境創造領域修士課程)
時間帯:16:30~17:30
発表要旨:
 本研究の目的は、ネットレーベルと呼ばれる活動とはどのような社会的実体であるのかを明確にし、そこでの音楽コンテンツの生産・流通がどのような意味を持った行為として捉えられているのかを明らかにすることである。ネットレーベルとは、インターネットを介してMP3ファイルを無料で生産・流通させている音楽レーベルのことを指す。2009年ごろから日本では数を増やしており、Twitterの利用によるユーザー間の活発なコミュニケーションが特徴として見られる。
 調査は日本のネットレーベルを対象とし、そこで行われているコミュニケーションに注目した考察を行った。調査方法としては、ネットレーベル主宰者へのインタビュー調査、クラブイベントでの参与観察、そしてウェブ上で展開されるコミュニケーションへの参加を実施した。
 まず、既存のレコードレーベルが音楽コンテンツを生産し流通させるためのシステムとネットレーベルとを比較し、そこから得られた2つの論点について考察した。すなわち、CGMの特徴であるコンテンツの流動性をネットレーベルがどのような歴史的経緯において獲得してきたのかという点、またネットレーベルの活動では具体的にどのようなコミュニケーションが行われているのかという点の2つである。これらへの考察から、ネットレーベルとはコミュニティとして機能しているということ、そして、そこで行われている音楽の生産と流通の行為は、ユーザーによるコミュニケーションの行為として機能していることが明らかになった。

問い合わせ先:安田昌弘(研究活動担当理事)
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2011年第4回関西地区例会

関西地区で、研究例会を下記のとおり開催します。

日時: 10月15日(土曜)16時開場~19時終了
会場: 関西学院大学 大阪梅田キャンパス 10階 1002号室
(大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー10階 受付TEL: 06-6485-5611)
アクセス: 阪急「梅田駅」 茶屋町口改札口より 北へ徒歩5分。
JR「大阪駅」御堂筋出口から徒歩10分、地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩7分、「中津駅」から徒歩4分。
地図: http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/index.html

発表1: 「鉄腕アトムの効果音がもたらしたもの」
発表者: 宮田昌典 (京都市立芸術大学大学院音楽研究科博士課程)
要旨:
日本最初期のTVアニメ『鉄腕アトム』における効果音は、キャラクターに独特の存在感を与えている。本発表では、『鉄腕アトム』の物語世界に対する効果音の位置づけを分析し、それが虚構上のリアリティといかに関わっているのかを考察する。

発表2: 「ウガンダ、カンパラの音楽エンターテイメントを発展させる若者たち:学校と社会、娯楽とビジネス、個人と集団のはざまで」
発表者: 大門碧 (京都大学・学術振興会特別研究員)
要旨:
東アフリカの内陸に位置するウガンダの首都カンパラでは、10数年前から「カリオキ」と呼ばれる音楽エンターテイメントが盛んにおこなわれている。欧米やジャマイカ、隣国ケニア、タンザニア、そしてウガンダのミュージシャンたちの楽曲を使用し、その歌にあわせてさまざまなパフォーマンスを見せるのは、当地の10代から20代の若者たちが結成する10人程度のグループである。本発表では、2007年から2011年にかけておこなってきた、「カリオキ」を実践する若者たちへのインタビューと参与観察をもとに、「カリオキ」が発達してきたプロセスを明らかにする。
 調査の結果、「カリオキ」という文化は、若者たちが学校から社会へと向かっていくちょうど分岐点として位置していると考えられた。そこでは若者たちは「カリオキ」をビジネスとして成功させることをいつも気にしながらも、同時に娯楽としておこなっていることを否定できない。そして各パフォーマーという個人の存在と、所属するグループである集団を確固たるものとして執着しない様子は、現代アフリカの若者たちの特徴のひとつとしてとりあげることができるだろう。

研究会終了後には懇親会も予定しています。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

問い合わせ先:安田昌弘(研究活動担当理事)
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2011年第2回関東地区例会

関東地区では、下記の通り研究例会を開催します。

日時:2011年9月10日(土)14:00~17:00
会場:亜細亜大学2号館236教室
アクセス:JR中央線武蔵境駅北口から徒歩12分、または北口からムーバス「境西循環」「境・東小金井線」に乗り「亜細亜大学南門」下車
地図:http://www.asia-u.ac.jp/access/map.html

タイトル:「ポスト・パッケージ時代の音楽活動 ―― ネットレーベル現象から考える」

・谷口文和(企画+司会・亜細亜大学短期大学部)
 趣旨説明:音楽産業の過渡期という観点から
・日高良祐(東京芸術大学大学院)
 ネットレーベルを軸としたコミュニティ意識の形成
・今井晋(東京大学大学院)
 ミュージシャンのコミュニケーション:ネット以前と以後
・樺島榮一郎(相模女子大学)
 各報告へのコメント:コンテンツ産業論の立場から
・トークセッション

企画趣旨
 音楽の流通メディアの中心がCDからインターネットや携帯電話へと移行しつつある現在、「ネットレーベル」と呼ばれる音楽配信のスタイルが注目を集めている。国内外のネットレーベルからはテクノなど電子音楽の作品が次々と発表されており、レーベル内やレーベル間での音楽家の交流も活発に行われている。しかし、レコード会社というかたちをとらない彼らが何故「レーベル」という呼称にこだわるのか。この「レーベル」という語に込められた意味を読み解くには、大手レコード会社のあり方を半ば基準としてきた音楽産業の理解の枠組とは別の視点が必要となるのではないだろうか。
 そこで今回は、音楽家の新たな活動基盤、キャリア形成手段という観点からネットレーベルを取り上げ、そこに形成されるネットワークや価値観、ひいてはそれらを通じて見えてくる音楽産業の成立条件について議論したい。

研究会終了後には懇親会も予定しています。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

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2011年第3回関西地区例会

関西地区で、研究例会を下記のとおり開催します。(7/7追記:時間と会場が変更になりました。ご注意ください。)

日時: 7月9日(土曜)16時30分開場~19時30分終了
会場: 関西学院大学 大阪梅田キャンパス 14階 1406号室
(大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー14階<受付、TEL06-6485-5611>)
アクセス: 阪急「梅田駅」 茶屋町口改札口より 北へ徒歩5分。
JR「大阪駅」御堂筋出口から徒歩10分、地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩7分、「中津駅」から徒歩4分。
地図: http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/index.html

発表1: 「現代の若者のケータイ・コミュニケーション―自己と他者をつなぐ着信メロディー」
発表者: 石井裕子氏 (関西大学大学院社会学研究科マス・コミュニケーション学専攻修士課程修了)
要旨:
本研究は、現代若者の人間関係やコミュニケーションに注目する。とりわけ携帯電話の着信音を使って自己と知人をどのように結びつけているのか、明らかにすることを目的とする。携帯電話のメモリー内で、テーマごとに分類されたグループに着信音を設定する行為(グループ着信音)、特定の個人に着信音を設定する行為(指定着信音)について、焦点をあてる。

発表2: 「ジャマイカのダンスホール音楽にみる「バッドマン」の抵抗と信仰心」
発表者: 二宮健一氏 (神戸大学大学院国際文化学研究科博士後期課程)
要旨:
ジャマイカのダンスホール音楽で表象される典型的な男性イメージ「バッドマニズム」は、貧困層の若者による体制への抵抗表現として解釈されてきた。本発表では、「バッドマン」を体現する歌い手がこの国のイデオロギー装置ともいえる教会との間にとり持つ関係を手掛かりとし、「バッドマニズム」の社会的意義を再考する。

研究会終了後には懇親会も予定しています。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

問い合わせ先:安田昌弘(研究活動担当理事)
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2011年第2回関西地区例会

関西地区で、研究例会を下記のとおり開催します。

輪島裕介氏著『創られた「日本の心」神話 「演歌」をめぐる戦後大衆音楽史』 書評会
日時: 6月18日(土曜)16時開場~19時終了
会場: 関西学院大学 大阪梅田キャンパス 14階 1402号室
(大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー14階<受付、TEL06-6485-5611>)
アクセス: 阪急「梅田駅」 茶屋町口改札口より 北へ徒歩5分。
JR「大阪駅」御堂筋出口から徒歩10分、地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩7分、「中津駅」から徒歩4分。
地図: http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/index.html

著者の輪島裕介氏(大阪大学)ご本人をお迎えしたうえで、細川周平氏(国際日本文化研究センター)と長﨑励朗氏(京都大学大学院博士後期課程・学術振興会特別研究員)のお二人が評者を務めてくださいます。研究会終了後には懇親会も予定しています。多くの皆様のご参加をお待ちしております。

問い合わせ先:安田昌弘(研究活動担当理事)
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2011年第1回関東地区例会

震災の影響で延期となっていた関東地区修士論文発表会の開催日が決定しました。
関東地区では、修士論文発表会を下記の通り開催します。

日時:2011年6月4日(土)13:30-
会場:東京芸術大学 北千住キャンパス 音楽学部音楽環境創造科 第一講義室
地図:http://www.geidai.ac.jp/access/senju.html

発表:
1)「消費者生成型メディアと国内コンテンツ産業の関係性の変容」
発表者:武居健太 (東京工科大学メディア学部)
時間帯:13:30-14:15
発表要旨:
今日、我々は自宅に居ながら映画を見ることや音楽を聴くこと、仮想テーマパークに友達と参加するなどといったことが可能になった。これはコンピュータやネットワークなどの技術革新のほかに、コンテンツ提供者による多々のサービス展開があってこそ成り立つものである。なかでもコンテンツの利用を許諾しているコンテンツ・ホルダーの意向は状況を大きく左右する。なぜなら現在の著作権法ではコンテンツは著作者や著作者の所属するコンテンツ・ホルダーによって利用許諾が設定され、コンテンツの使用のよりコンテンツ・ ホルダーは収益を得ているからである。ラジオ放送が開始された昭和初期ではアメリカのレコード産業は一時的に大きな打撃を被り、日本ではラジオが流行歌のサンプル配布者の役割を果たした(生明、2004)。その後ラジオやテレビなどのメディアとコンテンツ・ホルダーは著作権使用における包括契約の締結や、コンテンツのメディア露出が常例となり協力関係を維持してきた。
以上を踏まえるとインターネットの発達によって誕生した消費者生成型メディア(Consumer Generated Media、以下CGM)とコンテンツ・ホルダーも従来メディアのように協力関係を築くものだと予測される。しかしCGMはユーザーがコンテンツを発信するという従来メディアとは大きく異なる特徴を持つ。ユーザー発信によるコンテンツは、コンテンツ・ホルダーが制御可能な情報量を大きく超えるということだ。このような状況の中で本研究ではCGMとコンテンツ・ホルダーとの関係性の変遷を定性的、定量的に検証していく。
国内国外共に最も普及しているCGMはYouTubeであり、2009年3月では国内ユーザー数が1907万人と言われている(ネットレイティングス2009年調べ)。YouTubeに付随する権利問題はサービス開始当初から沙汰されてきた。しかし現在では各権利者が思慮することはあっても、ニュース記事など話題になることは減少した。CGMの先駆者であるファイル共有ソフトのNapstarと比べると、10年前とは明らかに異なる結果となっている。本研究においてこの二者の違いにも言及し、CGMの認識を変容させた要因を示すことで、コンテンツ業界の動向を考察する。

2)「デジタルシフトが生む映像コンテンツの新しい消費態様と評価指標~バリューチェーンのデジタル化がアニメにもたらす影響から」
発表者:松本淳(東京大学大学院)
時間帯:14:15-15:00
発表要旨:
「ジャパニメーション」が喧伝されるようになって久しい。映像のみならず、脚本、音楽、声優による演出、キャラクター商品など、アニメーションはコンテンツ産業の様々な要素を内包して成長してきた。報道等で取り上げられるように海外での人気も根強いものがあり、国も様々な振興策・育成政策を実施してきた。
だが、2005年のブームから一転、制作される作品本数は減少傾向にある。本論文では、アニメビジネスとコンテンツの現状を整理した上で、「メディアの転換(メディアシフト)」がそこにもたらす様々な変化を考察する。他のエンターテインメント産業にも共通する諸課題が抽出されるはずである。
複数のクリエイティブ著作物の複合体とも言えるアニメが、様々なメディアを介してその制作費用を回収していく仕組み(製作委員会方式)を改めて確認する。そこではコンテンツを展開するウィンドウの選択と、コンテンツへのグッドウィルを活用することがその鍵となる。
2000年代には盤石に見えたこれらのスキームだが、大きな変化に晒されている。その変化の態様と「ニコニコ動画」をはじめとするネット映像視聴サイトの実像を幾つかの側面から明らかにしていきたい。
本論文ではコンテンツ側の変化も確認した。アナログからデジタル、デジタルからネットという変化は伝送手段のみならず制作手法から消費の在り方まで影響を及ぼしていく。結果として経営的な観点からはバリューチェーンを大きく組み替えていく必要に迫られている点についても触れる。
論文後半ではウィンドウウィングモデルの再定義を提案する。物理的メディアを介してウィンドウ設計と販売モデルを組み上げてきた従来の手法は限界を迎えているという観点から、コンテンツ提供者がどのようにウィンドウ展開を組み上げればよいのか事例を交えながら解決の方向性の提示を試みた。

3)「日本におけるDubstep―音楽シーンに関する考察―」
発表者:アルニ クリスチャンソン(東京芸術大学大学院)
時間帯:15:15-16:00
発表要旨:
本論の目的は音楽シーンの考察であり、特にダブステップとして知られるダンス・ミュージックのジャンルがいかに日本においてローカル化していったのかを検討する。ダブステップのクラブ・イベントの参与観察を通じて民族誌的なフィールドワークを行い、ダブステップのアーティストやDJへのインタヴューや、音楽雑誌の調査を実施した。
1990年代初頭に始まったクラブ・カルチャーについての研究は、パンク・ミュージックに着目したバーミンガム学派のサブカルチャー研究が基礎となっている。日本のダブステップを分析する上では、「シーン」を定義したウィル・ストローの研究と、ファビアン・ホルトによる「ジャンル」の定義を論拠とする。
インターネットを通じた草の根的なムーブメントとして世界中に広まっているダブステップは、グローバル化している文化の興味深い事例である。2004年に初めて日本に輸入されたが、メジャーなメディアには認知されていなかった。2007年頃からローカルなシーンが成長し始め、東京や大阪でパーティが開催されるようになり、そこから様々なイベントやアーティストたちが派生し、全国各地さまざまな地域に出現するようになった。
日本におけるクラブ・ミュージックのジャンルにおけるローカル化についての先行研究は非常に少なく、そのほとんどは日本にヒップホップが進出した際の足跡をたどったものであるのだが、ここではそれとは異なったローカル化の過程について論じる。
本論で述べた考察を通じて、ローカル化された音楽シーンについて着目する際の2つの異なった方法を提示したい。1つ目は、音楽的活動の文化的な領域として、そして2つ目は、文化化が完結した「ローカル・ジャンル」としてである。日本でのダブステップ実践を説明するための言葉としては、「ローカル・ジャンル」よりもむしろ「シーン」がふさわしいとものだと言えるだろう。

4)「失われゆく音楽文化の多様性・多言語性を求めて―― グローバル化時代の地歌箏曲伝承のフィールドワークから ――」
発表者:佐藤岳晶(東京芸術大学大学院)
時間帯:16:00-16:45
発表要旨:
グローバル化に伴う西洋音楽の世界的浸透・ヘゲモニーの拡大ならびに、その音楽への同化等による、世界の音楽文化の単元化・単一言語化と、それに伴うマイナー音楽文化の危機への問題意識から、音楽文化の「多様性」について再考する。
当省察においては特に、異なる音楽言語間の「差異」について注視し、多様な音楽言語の併存による「多言語性」の相において、音楽の多様性を思考する。カルチュラル・スタディーズの理念・方法論に基づく学際性ならびに実践との節合を旨とするアプローチにより、研究・探究は、「グローバリゼーション」や「ポストコロニアリズム」といった社会・歴史・思想概念や(社会)言語学等とも分節化され、また、フィールドでの実技研鑽や演奏活動への参加、ならびに作品創作といった実践とも有機的に結びつけられてきた。
多言語性を基とする音楽世界観を求め、音楽にまつわる「普遍性」の批判的再考と西洋音楽を相対化させる視座の獲得、ならびに、音楽文化・音楽言語間の「差異」を実証すべく、幼少より西洋音楽を学んできた筆者は、西洋音楽とは異なる音楽のあり方を今に伝え続ける、重要無形文化財保持者の二代 米川文子師の主宰する、生田流・地歌箏曲の一会派「双調会」において、音楽修行を兼ねたフィールドワークを行ってきた。
言語学の分析概念を援用しつつ、「双調会」伝承の地歌箏曲と西洋音楽の間の通約不可能な音楽言語上の「差異」を明らかにすると同時に、このような「差異」の拡がりの中にこそ、人間の音への認識・音楽の営みの多様性の意義深さがあると提起するとともに、その多様性・多言語性の維持・発展の希求において、「双調会」をはじめとする非西洋音楽文化の今後、「差異」を資源とする創造の可能性等へと検討を拡げて行く。

5)「『社会としての学校』におけるメンバーシップ~インタビューと参与観察に見るカテゴリーの使用を題材に~」
発表者:團康晃(東京大学大学院)
時間帯:17:00-17:45
発表要旨:
本研究は、学校を幾重にも折り重なる相互的な意味構成の結節点として、つまり「社会」として描き出すというものである。これまでP.ウィリスの『ハマータウンの野郎ども』をはじめとするサブカルチャー研究や日本における生徒文化研究は、学校という場に見出される文化とグループ、文化的差異の在り様を明らかにしようとしてきた。しかしながら学校と文化をめぐる諸研究は、二つの困難を抱えていたといえる。一つには、80年代後半以降学校という場が研究対象として背景化していったことであり、もう一つには、多くの研究が「学校という社会」ではなく「学校を通して社会」を記述しようとしてしまうが故に、学校という社会において、相互行為を通して達成されるメンバーシップ、つまり成員たちが織り成す文化的な差異を記述できないということだった。
そこで本研究ではこれまでの文化とグループをめぐる諸研究の問題意識を受け継ぎながら、エスノメソドロジー・成員カテゴリー化装置のアイデアを手がかりに、これまでの課題であった学校という社会の中でのメンバーシップの達成、言いかえると相互行為における様々なカテゴリーの使用とその使用によるせめぎあう文化的差異の達成を経験的に記述することを目指した。
本研究における音楽(や音楽に関する知識)もまた、ある文化的カテゴリーと結びついたものとして、誰かを説明したり、メンバーシップの確認を行なう際にみられるものだった。
報告では、校内放送での選曲に関するエピソードを題材に、選曲において「オタク」であることを問題化させないための工夫と、その問題化の場面についてみていく予定です。

6)「コンピュータ音楽に媒介された相互作用とライヴ」
発表者:原島大輔(東京大学大学院)
時間帯:17:45-18:30
発表要旨:
本論文は、一般的にしばしばそのライヴ性の欠如が指摘されるコンピュータ音楽のパフォーマンスについての考察を通じて、現代的な諸技術環境におけるライヴ性の条件を提示する。ソフトウェアによってその機能を柔軟に変形しデジタルな再生産やシミュレーションを得意とするコンピュータが個人的な所有物となり、しかもそれらが他のコンピュータや他の諸技術とネットワークされている、現代の技術的なメディア(すなわち環境の複数形)において、われわれはそのような諸環境と相互に補完しあうようにして成立している。そのような諸環境において実行される音楽的パフォーマンスに関してライヴとメディアの二項対立を設けることは、たとえそれがメディアに対するライヴの卓越を喧伝しようとするものであれ、メディアによる汚染からライヴの純潔を保護しようとするものであれ、かえってそのことによってライヴを固定し時代遅れなものにするか、特定の時代や文化や社会における偶然的な構築物に還元することになるだろう。ライヴとメディアは対立関係にあるのではなく、また特定の技術の使用がライヴと非ライヴとを区別する基準になるわけでもない。ライヴ性とは、対象の客観的な特性ではなく、そこに参与するわれわれによってある程度構成されるものであり、したがってある程度相対的なものである。しかしそう断言することでわれわれが主張しようとしていることは、あらゆるメディア経験がライヴ的であるとか、ライヴ性は全く相対的であるといったことではない。問題は相対的な構成を制約する機構であり、それこそがメディア化されたパフォーマンスのライヴ性についてのより普遍的な基準となりうる。先行するパフォーマンス研究におけるライヴ論を踏まえ、その問題点や不満を乗り越えるための補助線としてオートポイエーシス論に代表されるネオサイバネティクス諸論を参照しながら、本論文はライヴ性を定義付ける。すなわち、われわれがわれわれの埋め込まれた諸環境を或る種の生命的なものとして構成せずにはいられなくなるような、われわれとメディアとの特異な相互作用のあり方を特定する。

※時間帯は目安ですので、前後する可能性があります。余裕をもってお越しください。

問い合わせ先:安田昌弘(研究活動担当理事)
yasuda_at_kyoto-seika.ac.jp (_at_をアットマークに変えてご送信ください)

2011年中部地区特別例会

きたる4月24日(日)、中部地区特別例会を開催いたします。今回は、日本アメリカ文学会中部支部との合同開催として、日本アメリカ文学会第28回支部大会において、以下にご案内の通りシンポジウム「ポピュラー音楽を通して<読む>複数のアメリカ」をおこないます。また、当日は引き続き佐藤良明氏による特別講演「Thomas Pynchon とポピュラー音楽」がおこなわれます。ともに参加は無料、予約は不要です。ふるってご参加ください。

 

日本アメリカ文学会 第28回中部支部大会

日時:4月24日(日)10:15~ (合同開催シンポジウムは13:55~)

会場:愛知淑徳大学星ヶ丘キャンパス5号館5階55A教室
464-8671 愛知県名古屋市千種区星が丘23
TEL 052-781-1151 (代)
地下鉄東山線星ヶ丘駅下車 3番出口から徒歩約3分
交通アクセス・マップ:
http://www.aasa.ac.jp/guidance/map.html

参加無料、予約不要 (午前中に行われる、日本アメリカ文学会中部地区大会の個人研究発表にも無料で参加できます。受付にて「日本ポピュラー音楽学会から来た」旨お伝えください)

 

【プログラム】

開会のことば 会長 鵜殿えりか (愛知県立大学) 10:15~10:20

研究発表
(1) 高橋 綾子 (長岡科学技術大) 10:20~11:05
「ジョアン・カイガーの『タペストリーと織物』」
(2) 駒田 法子 (日本福祉大学 非常勤) 11:10~11:55
「Maxine Hong Kingston のThe Woman Warrior: Memoirs of a Girlhood Among Ghosts
における視点と「黒いカーテン」のイメージ―戦争、狂気から帰郷の物語へ 」

 

シンポジウム (JASPM中部地区特別例会との合同開催) 13:55~15:55
「ポピュラー音楽を通して<読む>複数のアメリカ」
司会・講師 久野陽一 (愛知教育大学)
講師    長澤唯史 (椙山女学園大学)
講師    エドガー・ポープ (愛知県立大学)
講師    南田勝也 (武蔵大学)

 

特別講演「Thomas Pynchon とポピュラー音楽」16:15~17:15
講師 佐藤良明
司会 長畑昭利 (名古屋大学)

プログラムの詳細と概要については、以下のURLのリンクをご覧ください。
http://www.lang.nagoya-u.ac.jp/~nagahata/amlitchubu/taikai11.html