日本ポピュラー音楽学会第32回大会シンポジウム「コロナ禍と音楽ライブ」

日本ポピュラー音楽学会第32回大会シンポジウム「コロナ禍と音楽ライブ」

2020年12月27日(日) 14:00-17:00

参加費:無料

 

※本企画は、Zoomを使用したオンラインシンポジウムです。参加には、日本ポピュラー音楽学会の会員・非会員を問わず、事前の参加申し込みが必要となります。下記の参加申し込みフォームより必要事項を記入・送信いただくと、参加用のURLが記載された自動返信メールが届きますので、当日はそちらのURL よりアクセスしてご参加ください。

 

シンポジウム参加申し込みフォーム
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_wuII8RxlRROW_UhgZtX63w

 

■登壇者

報告者:   平石貴士(立命館大学)

宮入恭平(立教大学他)

山田将行(株式会社MOGRA代表取締役)

津田昌太朗(シャーロット株式会社 代表取締役)

討論者:    毛利嘉孝(東京藝術大学)

司会:     溝尻真也(目白大学)

 

■本シンポジウム開催のねらい

周知の通り、日本ではライブ・コンサート市場の規模がCD市場を上回るようになって久しく、また本学会における研究発表の動向を見ても、ライブハウスやクラブ、フェス会場などで起きている様々な事象を歴史的・理論的・実証的に捉えた研究成果が蓄積されつつあります。2010年代は、音楽業界にとっても、ポピュラー音楽を研究する私たちにとっても、音楽ライブの存在がきわめて重要なものになった10年間だったといえるのではないでしょうか。

しかし2020年に起きたコロナ禍によって、特に大きな影響を被ったのが、この音楽ライブをめぐるさまざまなアクターでした。2月末に発表された政府による自粛要請以降、ライブやフェスなどのイベントは軒並み中止となり、業界はきわめて深刻な状況に追い込まれました。ぴあ総研によれば、2020年度のライブ・エンタテインメント市場は前年比3割に満たない規模になると予測されており、この状況が2021年度以降改善に向かうのかどうかも、見通しは立っていません。

また業界のみならず、音楽ライブを支えてきた多くのファンにとっても、生きる楽しみを失ったに等しい喪失感が重くのしかかって離れない、そんな1年になったのではないかと思われます。実際、筆者のひとりが指導している音楽ファンのゼミ生は、この状況を「世界がガラッと変わってしまった」という言葉で表現していました。それはライブゴアーの1人である筆者自身も、強く共感するところです。

こうした状況の中、2020年は日本ポピュラー音楽学会としてもさまざまな取り組みを行なってきた1年でした。4月には「新型コロナウイルスと音楽産業JASPM緊急調査プロジェクト2020」を立ち上げ、質的・量的の両側面から実態調査を始めるとともに、8月のオンライン例会ではその中間報告を実施しました。さらに学会で特設ウェブサイトを開設し、調査成果を広く公開してきました(https://covid19.jaspm.jp/)。このような、会員が協働して調査プロジェクトを立ち上げ、そこから明らかになった現状を社会に向けて訴えていく試みは、本学会として初めてのことです。

そんな2020年を締めくくるにあたって、本大会では「コロナ禍と音楽ライブ」をテーマにシンポジウムを開催し、この1年を総括したいと考えています。まずは平石貴士、宮入恭平の両会員から、今回の調査プロジェクトの成果を踏まえつつ、ライブゴア―層の意識・行動や、ライブハウスが置かれた現状についてご報告いただきます。続いて秋葉原でDJバー「MOGRA」を経営する山田将行氏から、コロナ禍の状況で営業自粛に至るまでの経緯やその後の営業再開に向けた取り組みなど、クラブの現場で起きたことをご報告いただきます。さらに音楽フェス情報サイトを運営する津田昌太朗氏から、壊滅的な被害を受けた音楽フェス業界の現状や課題、そして今後の可能性についてお話しいただきます。最後に、緊急調査プロジェクトの発起人である毛利嘉孝会員を討論者に迎え、フロアを交えてディスカッションを行います。

本来であれば、この大会自体も、会員同士が直接集まり交流する「ライブ」の場として開かれるはずでした。こうした場を持つことが依然として難しい状況が続く中、私たちはこれから「ライブ」とどのように向き合っていけばよいのか、議論をしていきたいと考えています。みなさんの積極的なご参加を、心からお待ちしております。(文責:溝尻真也,南田勝也)

 

■注意事項

・本シンポジウムは、Zoomのウェビナー機能を使って実施します。原則として、参加者のカメラ・マイクはオフの状態でご参加いただくことになりますので、ご了承ください(質疑応答の時間に発言のご希望がある場合は、運営者が手動で参加者のマイクをオンにいたします)

・シンポジウム開催中の録画・録音はご遠慮ください。

 

■問い合わせ先

日本ポピュラー音楽学会 第32回大会実行委員会
onlinejaspm2020@gmail.com