The Japanese Association for the Study of Popular Music

2015年度 第2回 関東地区例会開催のお知らせ

2015年度第二回関東地区例会を下記の通り開催いたします。皆さまのご参加をお待ちしております。

書評会:柴那典『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』書評セッション

日時:10月18日(日)14:00-17:00
会場:立教大学池袋キャンパス 11号館A303号室
アクセス:JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線「池袋駅」下車。西口(C3出口)より徒歩約7分。正門を入り時計台のアーチを抜けると右手前方に見えるガラス張りの建物。
地図:http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/

 

登壇者(以下敬称略)
著者・柴那典(ライター、音楽ジャーナリスト)
評者・井手口彰典(立教大学社会学部准教授)
原島大輔(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
司会・瀧戸彩花(立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士課程)

 

 

――新しい文化が生まれる場所の真ん中には、インターネットと音楽があった。2007年、初音ミクの誕生と共に始まった三度目の「サマー・オブ・ラブ」とは ――(「BOOK」データベースより)。

「初音ミク」を巡る大きな潮流を見つめ続け、その歩みを生みの親や周辺関係者、ボカロPへのインタビューを基に検証し、ゼロ年代の日本の音楽シーンと社会背景を語った著書『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版,2014)の書評セッションを開催いたします。
ネットにおける音楽シーンを語る上で、今や切っても切れない存在となった「初音ミク」。2007年に誕生してから今日に至るまでに、単なるツールやソフトウェアといった枠組みを超え、様々なコンテンツとのコラボレーションにより「音楽の新しいあり方」を提示し続けてきました。人々の生活や価値観にまで影響を与えるボーカロイドについて今一度議論することは、過ぎ去ったゼロ年代を振り返り、新たな音楽の可能性を作り出すことにも繋がるのではないでしょうか。本例会の議論が、21世紀の音楽の指針を更に深めるものとなれば幸いに存じます。
著者の柴那典氏に加え、評者として同人音楽の研究で知られる音楽社会学者の井手口彰典氏と、ネットワーク音楽に詳しい情報メディア研究者の原島大輔氏が登壇します。

終了後、池袋近辺で懇親会を予定しております。こちらも奮ってご参加ください。

お問い合わせ
瀧戸彩花(関東例会担当研究活動委員)
12vt009p[at]rikkyo.ac.jp([at]を@に変えてご送信ください)
粟谷佳司(研究活動担当理事)([at]を@に変えてご送信ください)
awatani[at]gmail.com

 

 

2015年度 第3回 関西地区例会(特別例会)開催のお知らせ

(日本音楽学会西日本支部第28回(通算379回)例会と合同例会)

 

日本音楽学会と合同で特別例会を開催します。みなさまのご参加をお待ちしています。

 

日時:10月3日(土)15:00〜17:30
場所:京都精華大学ポピュラーカルチャー学部 友愛館Y-005
 

 1.(研究発表)白石知雄「大栗裕の採譜の実際 – 「大栗文庫」所蔵資料の2015年度再調査報告を中心に」
 

発表者は、船場島之内出身の作曲家、大栗裕(1918-1982)の自筆譜等を集約した大阪音楽大学付属図書館大栗文庫の移転(移転先は近日発表予定)に先立ち、準備作業として本年4月から所蔵資料を再調査する機会を得た。この発表では、新たに発見された管弦楽のための組曲「雲水讃」(昭和36(1961)年文部省芸術祭参加作品)の草稿(京都吉祥院六斎念仏の録音を採譜した楽譜帳)の概要を紹介し、没後「大阪のバルトーク」と喧伝されることすらあったこの作曲家の民俗的な素材の取り扱いの実態と、その意義を批判的に考察する。
「雲水讃」(初演稿全3楽章の第1、3楽章、改訂稿全2楽章の第2楽章)は、吉祥院天満宮大祭(毎年8月25日)の芸能を、おそらく委嘱元である朝日放送の協力を得てオープンリールテープに収録して、その音源を採譜した素材にもとづいて作曲されている。発表者の調査では、大栗裕がバルトークに擬せられる発端、遠因はこの作品であった可能性が高い。
しかし各種資料を照合すると、録音の取り扱いにはいくつかの不備が認められる。
日本の伝統芸能に立脚した創作を主張する武智鉄二(1955年の歌劇「赤い陣羽織」の演出家)の感化、1956年の「大阪俗謡による幻想曲」の成功を受けた続編的な新作への期待、ラテン音楽(ニューリズム)の流行に煽られて「和製サンバ」と評された京都の六斎念仏への注目度など、このような作品が書かれねばならない外的条件が整い、いわば外堀が埋められた状況で、作曲者は半ば意識的、半ば無意識的に課題をやり過ごし、身を翻したように見える。
 新技術(テープ録音)が投入された晴れがましい企画を曖昧に切り抜ける態度は、作品の欠陥、当事者の能力不足を疑わざるを得ないが、難局に直面した売れっ子ならでは図太さ、しぶとさが、創作を次の段階へ推し進める。本作以後、大栗裕に自ら取材・録音した音源を用いた作例はない。発表者はこの作品を、失敗することに成功した作曲者の転回点と位置づける。

 

 2.(話題提供)安田昌弘「音楽と場所」

 

 特定の場所と結びつけて語られる音楽は多いが、その結びつき方は一様ではない。ある場合にはそれは、音楽的要素によって説明されるが(例えば特定の音色や音階、韻律が特定の場所と結び付けられる)、他の場合では社会的/文化的背景によって説明される(そこでは音楽は、特定の時代・場所における政治的・経済的・文化的状況の表現とされる)。このようにして考えると、音楽と場所を結びつける根拠は一貫性を欠き、場合によっては恣意的にさえみえる。それにもかかわらず、我々は音楽と場所を結びつけることをやめようとしない。それはなぜか? 本発表では、主にデヴィッド・ハーヴェイの空間分類とその間の相互介入という議論を参照し、音楽と場所の結びつきについて改めて検討する。

 なお、12月に京都精華大で開催される日本ポピュラー音楽学会全国大会では、京都という具体的な場所を対象とし、「音楽と場所」について多面的に検討するシンポジウムを開催する。本報告はその予告として位置付けられる。

 

※例会終了後、京都精華大学ポピュラーカルチャー学部の録音スタジオ「Magi Sound Studio」の見学会を行います。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
 太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp
 粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com

 

2015年度 第2回 関西地区例会開催のお知らせ

2015年度第2回関西地区例会を下記の通り開催いたします。

みなさまのご参加をお待ちしております。

研究会:「日本のポピュラー音楽のアーカイブ、展示の現状および研究への活用について」

日時:2015年9月4日(金)18:00-20:00

会場:関西大学 千里山キャンパス 第3学舎 C404教室

アクセス:阪急電鉄「梅田」駅から、千里線「北千里」行で「関大前」駅下車、または京都「河原町」行(通勤特急を除く)で「淡路」駅下車、「北千里」行に乗り換えて「関大前」駅下車、徒歩約5分

地図:http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html#map

概要:

 本研究会では、関西大学日本ポピュラー音楽アーカイブ・ミュージアムプロジェクト(以下、PMAM)および、一般社団法人音楽制作者連盟のMOMM(Museum Of Modern Music)の取り組みを報告する。PMAMとMOMMは、日本のポピュラー音楽を体系的に整理、散逸しつつある映像、音源、ドキュメントのアーカイブ構築のための活動を続けている。研究会ではますPMAMの現状を報告する、次に音制連副理事長の山中聡氏をゲストにお迎えし、MOMMの現状およびアーカイブされた資料の活用事例として、氏が総合プロデユーサーを務め現在横浜赤煉瓦倉庫にて開催されている「’70sバイブレーション!」の企画意図、展示内容などの詳細をお話いただく。最後に、フロアを交え、ポピュラー音楽研究におけるアーカイブ資料活用についての、議論の場を設ける。

司会 進行 太田健二(研究活動委員)粟谷佳司(研究活動理事)

報告 PMAM活動報告

 柴台弘毅(関西大学)

三浦文夫(関西大学)

ゲスト

 山中聡(元音制連副理事長)

山中聡氏 プロフィール

音楽プロデューサー。1956年、東京生まれ。早稲田大学卒業後、レコード会社勤務を経て、マネージメント会社を設立。大貫妙子、EPO、小林武史、CHARA、GREAT3、LEYONA、安藤裕子などをマネージメント。現在はアーカイブWEB[MUSEUM of Modern Music]のプロデュースなど。「70’sバイブレーションYOKOHAMA」総括プロデューサー。東京芸術大学非常勤講師。関西大学非常勤講師。

終了後懇親会を予定していますので、是非ご参加ください。

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp
粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com

2015年 第1回 関西地区例会開催のお知らせ

2015年度第1回関西地区例会開催のお知らせ

関西地区で、博士論文・修士論文報告会を下記の通り開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。

 

日時:3月28日(土)15:00−18:00
会場:京都精華大学 友愛館 Y-103教室
アクセス:JR「京都」駅、阪急「烏丸」駅から地下鉄に乗り換え「国際会館」駅下車、3番出口よりスクールバスで約10分。または京阪「出町柳」駅から叡山電鉄鞍馬線に乗り換え、「京都精華大前」駅下車
地図:http://www.kyoto-seika.ac.jp/about/access/

 

 

発表1
「誰が声優を歌い手に変えたのか—アニメ産業と音楽産業の提携の変化を中心に—」
発表者:高 文(関西大学大学院社会学研究科マス・コミュニケーション学専攻博士前期課程)
要旨:近年、「新世紀エヴァンゲリオン」「妖怪ウォッチ」などテレビアニメの主題歌がヒットし、注目されている。テレビアニメの主題歌を歌うアーティストは、専門のアニソン歌手から一般のロック歌手まで多岐にわたっている。その中でもっとも顕著な増加を示しているは声優である。本研究では、声優がテレビアニメ主題歌を歌うようになった経緯を、アニメ産業と音楽産業の間のせめぎ合いという視点から、「ゲートキーパー」と「仲介者」の理論を用いて分析する。

 

 

発表2
「現代日本における音楽のアマチュアリズム—niconico動画の「歌い手」に対するイメージをめぐって—」
発表者:陳 晨(関西大学大学院社会学研究科マス・コミュニケーション学専攻博士前期課程)
要旨:現代日本の音楽においては、プロとアマの境界があいまいな領域が生まれている。例えば、niconico動画に自らの歌唱を投稿する「歌い手」が若者の間に人気が集まり、その中からメジャーデビューする者も出てきている。こうした現象に対して「歌い手」のファンの間では賛否両論の議論が起こっている。本研究では、スポーツにおけるアマチュアリズム、音楽におけるアマチュアリズムの歴史を踏まえた上で、niconico動画ユーザーへのインタビューにより、現代日本の音楽におけるアマチュアリズムという意識のあり方を明らかにする。

 

 

発表3
「芸能実践の豊かさを生きる—沖縄移民の芸能から広がる人やモノのつながりの研究—」
発表者:栗山新也(国際日本文化研究センター共同研究員、沖縄県立芸術大学付属研究所共同研究員)
要旨:本研究は、近代の沖縄の移民や出稼ぎが成し遂げてきた芸能実践の豊かさを、沖縄から多くの人びとが移動した大阪・南洋群島・ハワイまでを含む広大な地理的空間において描きだすものである。報告では、芸能実践の豊かさの定義と、それを記述するための方法論を説明した上で、おもに沖縄とハワイとの間を行き交う三線とレコードにみられる人・モノの諸関係について述べたい。

 

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp
粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com

 

 

2015年 第1回関東地区例会開催のお知らせ(20150304プログラム変更)

2015年 第1回関東地区例会開催のお知らせ(プログラム変更)

関東地区で、修士論文・卒業論文報告会を下記の通り開催いたします。

みなさまのご参加をお待ちいたしております。

 

日時:3月22日(日)14:00-17:30

会場:立教大学 池袋キャンパス 本館(1号館)1203教室

アクセス:JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線「池袋駅」下車。西口(C3出口)より徒歩約7分。正門を入って真正面、時計台のある建物2階

地図:http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/

 

発表1

「雑音の系譜とエレクトリック・ギター ―『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』を中心に―」

発表者:大森善之(東京大学教養学部教養学科超域文化科学科表象文化論コース4年)

要旨:本研究は「かつて雑音とされた音が楽音の領域に取り込まれていく歴史」としての音楽史の中で、エレクトリック・ギターの演奏が持つ性質を検討する。その際、「歪み」と「フィードバック」という、雑音とも見なされうる2つの音色・奏法に着目する。そして、こうした演奏を効果的に用い、雑音を積極的に導入した作品として『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド&ニコ』を取り上げ、同時代の雑音を用いた音楽と比較する。

 

発表2

「インディー・ミュージックのエスノグラフィ―グローバル化するアンダーグラウンド音楽文化とアーティスト活動の実態―」

発表者:平松絹子(東京芸術大学大学院音楽研究科音楽文化学専攻芸術環境創造領域修士課程2年)

要旨:本研究で筆者は「インディー」と呼ばれる独立性の高いポピュラー音楽について、北アメリカ、ヨーロッパ、アジアなどの複数都市で参与観察を行い、エスノグラフィを記述した。本学会ではフィールドワークの報告と、その中で観察できた4名のアーティストの活動実態、インディー文化におけるグローバル化の影響などを発表する。

 

発表3につきましては、発表者のご都合により延期となりました。

 

終了後、池袋近辺で懇親会を予定しております。こちらも奮ってご参加ください。

 

お問い合わせ

瀧戸彩花(関東例会担当研究活動委員)

12vt009p[at]rikkyo.ac.jp([at]を@に変えてご送信ください)

粟谷佳司(研究活動担当理事)

 

 

 

awatani[at]gmail.com([at]を@に変えてご送信ください)

2014年第1回中部地区例会

2014年第1回中部地区例会を下記の通り開催いたします。皆さまのご参加をお待ちしております。

 

日時: 2014年11月2日(日)13:30~17:30
会場: 愛知県立大学・県立芸術大学サテライトキャンパス
   愛知県産業労働センター 15階
   愛知県名古屋市中村区名駅 4丁目4-38(名古屋駅から徒歩2分)
   http://www.winc-aichi.jp/access/

 

プログラム:

 

発表1 ジンバブエ・ポップスの基層音楽「ンビラ」の文化
松平勇二 (名古屋大学博士研究員)
ジンバブエはアフリカ南部の内陸国である。この国を代表するポップスに「チムレンガ・ミュージック」(闘争音楽)がある。この音楽が「闘争」と言われる理由には、音楽を用いた黒人の政治闘争がある。ジンバブエでは約90年間にわたって人種差別支配がおこなわれた。ショナ族出身の歌手トーマス・マプフーモは伝統音楽に合わせて政治的メッセージを訴え、自らの音楽を「闘争音楽」となづけた。本発表で分析するのは、彼の音楽の元となったラメラフォーン(ンビラ)の音楽である。マプフーモの歌詞は確かに政治的である。しかし、ショナ社会では歌うこと、音楽を演奏すること自体が政治的意味を持つのではないか。ジンバブエ中部のニャンドーロ地域でおこなわれる憑依儀礼は、政治的要素、宗教的要素、音楽が複雑に交差する儀礼である。憑依儀礼で演奏されるンビラ音楽を分析し、ショナ社会における音楽の政治性と宗教性を考察する。

 

発表2 Led Zeppelinの傑作 “Whole Lotta Love” のルーツを辿って
宮崎尚一 (愛知県立大学非常勤講師)
1969年にリリースされた無敵のモンスターアルバム “Led ZeppelinⅡ”の1曲目に収録されている “Whole Lotta Love”は、今もなお多くのアーティスト、グループに影響を与え続けている、ロック史上稀な偉大かつ完全無欠のハード・ロック・チューンである。この曲のメガ・ヒットにより、デビューしてほんの1年足らずで Led Zeppelin はロック・バンドの頂点に君臨し、不動の人気を得たのである。米国においては The Beatles の後を受け継いで1970年代を代表するロック・バンドの覇王と見做された。
しかし、この楽曲は Led Zeppelin によって純粋なオリジナル作品として創作されたのではなく、明らかに彼らが好んでいた特定アーティストの作品、スタイルを模倣して作られたということも良く知られている。これをまさに「盗用、欺瞞」だと騒ぐ人たちもいるが、そういった批判が彼らの伝説を覆す程までにはけっして至っていない。それどころか、今日のデジタル時代において、彼らの作品が改めて正しく理解されることを目的に、バンド・リーダーのJimmy Page氏によりLed Zeppelinの音源すべてが新たにリマスターされ、2014年6月から各アルバムが順を追って発売されている。そしてそれを追うようにして、ロック系音楽雑誌の多くが Led Zeppelin の特集を組み、Led Zeppelin ブームが再来しているのである。
これを契機に本発表では、ハード・ロック・チューンのアンセムでもある “Whole Lotta Love”を、そのルーツとなる関連音源を実際に聞きながら、可能な限り詳細な分析を試みたい。その際、Led Zeppelinの楽曲を長年歌い続けてきたヴォーカリストとしての経験が発表者の視点を強く規定していることをご了解願いたい。

 

懇親会:
例会終了後、懇親会を名古屋駅周辺で行います。参加費用は3500円前後を予定しています(食事と飲み物を含む)。参加希望の方は10月26日までにポープ(メールアドレスは下記)にご連絡ください。

 

お問い合わせ(_a_をアットマークに変えてご送信ください):
エドガー・W・ポープ(研究活動委員・中部例会担当)pope_a_for.aichi-pu.ac.jp
鈴木慎一郎(研究活動担当理事)ssdeya_at_kwansei.ac.jp

2014年第4回関西地区例会

2014年第4回関西地区例会を下記の通り開催します。

 

研究会:「社会関係資本と集合的記憶
―『メモリースケープ』、『「つながり」の戦後文化史』を素材に―」

 

登壇者:小泉恭子(大妻女子大学准教授)
小川博司(関西大学教授)
長﨑励朗(京都文教大学講師)
輪島裕介(大阪大学准教授)
司会:鈴木慎一郎(関西学院大学教授)

 

日時:2014年10月19日(日)14:00~17:30
会場:関西学院大学梅田キャンパス 1404号室
(大阪市北区茶屋町19-19アプローズタワー14階 受付TEL06-6485-5611)
アクセス:阪急「梅田駅」茶屋町口改札口から徒歩5分/JR「大阪駅」御堂筋出口から徒歩10分/地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩7分/「中津駅」から徒歩4分
地図:http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/

 

概要:
「音楽は人をつなぐ」という言葉は、一見単純に思えるが、様々な課題を包含している。どんな音楽が、誰と誰を、どのようにしてつないでいるのか? また、その「つながり」はどのようにして形成され、どの程度の持続性、発展性を持っているのか?
本研究会では、『メモリースケープ―「あの頃」を呼び起こす音楽』(みすず書房)の著者、小泉恭子氏と、『「つながり」の戦後文化誌―労音、そして宝塚、万博』(河出書房新社)の著者、長﨑励朗氏を招き、これらの問題について議論を深めることを目的としている。昨年刊行されたこれらの著作は、互いに異なるアプローチをとりながらも、ともに音楽と社会関係資本の問題に迫ったものだ。
小泉氏によれば、世代を超えて歌い継がれる「スタンダード・ミュージック」よりも特定の世代にだけ共通する音楽である「コモン・ミュージック」の方が集合的記憶とリンクしやすいため、特定の世代を結びつける傾向が強い。記憶の中でその背景として流れていた音こそが、現代の年配世代を結びつける鍵になっているというのだ。
一方、長﨑氏のまなざしは、過去そのものへとむけられている。現在の年配者たちがまだ若かったころ、1950年代から60年代半ばにおいて、リアルタイムの「つながり」を担保していたのは、「教養」という高級文化への憧れであったという。小泉氏の析出した集合的記憶の源泉を探る研究として位置づけることができよう。
その他にも、両者の議論は「つながり」のメカニズムにおいては「世代」と「階層」に、手法面においては「記憶」と「記録」にそれぞれ力点をおいている。このように、隣接しながらも複数の異なる観点を持った研究を同時に検討することで、ポピュラー音楽と社会関係資本の関係、およびそこに作用する集合的記憶の力学に関する議論をより深化させることができるはずだ。
評者を務めるのは、メディア文化研究、音楽社会学を専門とする小川博司氏と、演歌の研究で知られ、「ワールド・ミュージック」に関する言説にも明るい輪島裕介氏である。2人の評者が加わることで、ポピュラー音楽を空間的広がりによって捉える視点の導入も期待される。
以上のような布陣で様々な観点からポピュラーミュージックと社会関係資本、そして集合的記憶の問題について議論を尽くす例会としたい。

 

 

お問い合わせ(_at_をアットマークに変えてご送信ください):
長﨑励朗(研究活動委員・関西例会担当)reonagasaki1983426_at_gmail.com
鈴木慎一郎(研究活動担当理事)ssdeya_at_kwansei.ac.jp

2014年第3回関西地区例会

2014年第3回関西地区例会
 
南田勝也(著)『オルタナティブロックの社会学』の合評会を下記の通り開催します。
 
日時: 7月19日(土)17時00分~20時00分
会場: 関西学院大学 大阪梅田キャンパス 1403号室
(大阪市北区茶屋町19-19アプローズタワー14階 受付TEL:06-6485-5611)
アクセス: 阪急「梅田駅」茶屋町口改札口から徒歩5分/JR「大阪駅」御堂筋出口から徒歩10分/地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩7分/「中津駅」から徒歩4分
地図: http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/
 
書評:増田 聡(大阪市立大学)
   安田昌弘(京都精華大学)
応答:南田勝也(武蔵大学)
司会:永井純一(神戸山手大学)
 
「波」から「渦」へ、「表現」から「スポーツ」へ――。1990年代以降のロックミュージックの歩みを社会学/美学/メディア論等の知見によって検証し、2010年代の触知的テクノロジーの音楽消費を問うた研究書『オルタナティブロックの社会学』(花伝社)の書評セッションを開催いたします。書評者として音楽学者の増田聡とメディア研究者の安田昌弘が、著者として南田勝也が登壇し、永井純一が司会を務めます。奮ってご参加ください。
 

お問い合わせ(_at_をアットマークに変えてご送信ください):
長崎励朗(研究活動委員・関西例会担当)reonagasaki1983426_at_gmail.com
鈴木慎一郎(研究活動担当理事)ssdeya_at_kwansei.ac.jp
 
皆さまのご参加をお待ちしております。どうぞよろしくお願いいたします。

2014年度第1回関東地区例会

2014年 第1回関東地区例会

関東地区で、修士論文・卒業論文発表会を下記の通り開催します。
みなさまのご参加を心よりお待ちいたしております。

 
日時:3月30日(日) 15:00〜18:00
会場:立教大学池袋キャンパス 本館(1号館)1204教室
(池袋駅西口より徒歩約7分。正門を入って真正面、時計台のある建物の2階)
http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/

 
発表1
「アニソンクラブイベント研究 〜交差するオタク系文化とクラブカルチャ〜」
浅野裕貴(東京藝術大学音楽学部 音楽環境創造科4年)
概要:
アニソンクラブイベントとは、DJがアニメソングを中心とした楽曲をかけるクラブイベントである。本研究では、アニソンクラブイベントを対象とし、オタク系文化とクラブカルチャーの交わりについて論じる。フィールドワークやインタビュー調査などを踏まえ、相反するものとされてきていた両者の結びつきをアニソンクラブイベントの歴史的変遷を紐解きながら明らかにする。

 
発表2
「電子楽器のUIデザインとユーザー理解 ~ユーザーの内在的理解によるUXの向上〜」
増田健人(東京工科大学大学院 バイオ情報・メディア研究科 メディアサイエンス専攻 修士課程2年)
概要:
近年、音を電子情報として扱うことで電子楽器は自由なインターフェースをデザインすることが出来るようになった。新たなインターフェースをデザインする場合、ユーザーのインターフェースに対する慣れなど、技能と環境との文脈を理解することが重要である。ユーザーの理解という点ではインタラクション・デザインなどユーザーを巻き込んだインタラクションな開発も行われているが、そういったデザインを行ったにも関わらず、失敗するものと成功する製品が存在する。そこで本研究では、普及に成功した製品と失敗した製品におけるUIのデザイン手法・ユーザー理解に対するアプローチにどのような相違があるのか、両者を、比較を通じて問題点を検証し、それを元に実際にUIのモデルを制作する。

 
終了後、池袋近辺で懇親会を予定しています。こちらも奮ってご参加ください。

 
お問い合わせ
溝尻真也(関東例会担当委員)
toncotsu_at_hotmail.com(_at_をアットマークに変えてご送信ください)
鈴木慎一郎(研究活動担当理事)
ssdeya_at_kwansei.ac.jp(_at_をアットマークに変えてご送信ください)

2014年第2回関西地区例会

2014年第2回関西地区例会

関西地区で、修士論文・卒業論文発表会を下記の通り開催します。

 

日時:3月22日(土)14時00分~18時00分
会場:関西学院大学 大阪梅田キャンパス 1408号室
(大阪市北区茶屋町19-19アプローズタワー14階 受付TEL:06-6485-5611)
アクセス:阪急「梅田駅」茶屋町口改札口から徒歩5分/JR「大阪駅」御堂筋出口から徒歩10分/地下鉄御堂筋線「梅田駅」から徒歩7分/「中津駅」から徒歩4分
地図:http://www.kwansei.ac.jp/kg_hub/access/

 

発表1:「韓流ドラマ」「K-POP」にせまる政治の影
発表者:三好明日彩(神戸山手大学現代社会学部)

要旨:「冬のソナタ」が大ヒットした2003年から始まったとされる韓流ブームは熱く、その間日本国内では、韓国ドラマやK-POPの勢いは止まることを知らなかった。韓国は海外に進出するK-POPや韓流ドラマを金銭面で援助している。これは大成功を果たし、多くの日本人、特に女性を虜にした。そして、その女性が虜になっているドラマやアイドルのCDやDVDが売れるだけでなく、韓国への観光客も増加し、日本はみるみるうちに韓国の国策に飲み込まれた。しかし、2012年8月10日に李明博(イ・ミョンバク)前大統領が竹島に上陸したことから、日本と韓国の関係は一気に悪化した。この政治の問題が文化にも影響をもたらし、韓流の人気も随分落ちたように感じる。本報告ではこうした一連の韓流ブームをさまざまな角度から考察する。

 

発表2:浜崎あゆみ―絶望の果てに見つけた居場所
発表者:大野紋佳(神戸山手大学現代社会学部)

要旨:本報告は浜崎あゆみという人物と、彼女が歩んできた歌手活動の中の葛藤や歌詞の意味を分析・研究したものである。歌詞の解釈やインタビュー記事の分析を通じてうかびあがってくるのは、歌姫という一見華やかな肩書の裏で、たびたび歌詞に登場する「もう一人の自分」に象徴される常に何かに葛藤している複雑な心境や姿である。そうした様々な葛藤や戦いの中で、彼女が見つけた居場所とは何か。年齢や経験と共に変化する歌詞や彼女自身について考えたい。

 

発表3:パンクロックと耳聴こえない僕
発表者:大川豪(神戸山手大学現代社会学部卒業生)
要旨:一般に聴覚障がい者といえば、全く耳が聴こえないと思われがちだ。しかし、障がいの種類は多様であり、補聴器をつけるなどの工夫をしながら音楽を楽しんでいる聴覚障がい者は意外に多い。本研究では、様々な聴覚障がいの内実を明らかにしたうえで、自身の体験に基づいてポピュラー音楽文化の魅力にせまる。音が「普通」には聴こえないからこそ、見えてくるポピュラー音楽文化消費のありかたを明らかにするのが本研究の目的であるといえる。

 

発表4:少女からバンギャへ―戦後の女性向けポピュラーカルチャーとしてのヴィジュアル系
発表者:ジョンソン・エイドリエン(京都精華大学大学院人文研究科修士課程)
要旨:本論文では80年代後半に登場したヴィジュアル系という音楽が戦後の女性向けポピュラーカルチャーにどのような影響を受けたかについて調査を行う。今回の発表ではこうした影響の一つとして、ヴィジュアル系の特徴である反覇権的な男性性に焦点を当ててみたい。ヴィジュアル系のパフォーマーは主に男性だが、ファンは男性より女性が多い。ライブに「参戦」するファンを見ればこのジェンダー相違がよくわかる。つまりヴィジュアル系の男性性のイメージは主に女性ファンに消費されているのである。そのため、ヴィジュアル系における男性性のパフォーマンスを戦後の女性向けポピュラーカルチャーとのつながりのなかで考えてみる必要があると思われる。

 

発表5:日本における「UKロック」の誕生と変遷
発表者:今東昇吾(関西大学社会学部)
要旨:現在、日本の洋楽リスナーにとってUKロックは人気のあるジャンルの一つであると言える。アメリカにも、カナダにも、オーストラリアにもロック音楽の文化は存在する。しかし、日本ではイギリスのロックだけがUKロックというジャンルとして定着している。本稿では、日本の音楽シーンにおいて「UKロック」という言葉がいつ誕生し、そしてどのようにリスナーに受容されていったか、その言葉の持つ意味合いの変遷の過程を、主に雑誌の記事分析とインタビュー調査によって明らかにする。そして、UKロックが多様な意味を持つようになった背景を考察する。

 

発表6:震災がもたらした精神的影響―ヒット曲の分析を手がかりに
発表者:石河壮太朗(関西大学社会学部)
要旨:震災は、人々にどのような精神的な影響を与えるのか。本研究は、阪神淡路大震災から東日本大震災後に至るまでのヒット曲の歌詞分析を手掛かりに、震災が人々の価値観や感情など精神的側面に与える影響を明らかにする試みである。3つの仮説、①「震災以降、恋人ではなく、同性の友人や家族の人間関係がより強固になる」、②「震災以降、励ましなどのポジティブな曲が共感を得る」③「震災以降、欲求や行動が主体的、積極的になる」を検証する。

 

発表7:中国の若者におけるジャニーズアイドルの受容
発表者:劉羽潔(関西大学社会学研究科マス・コミュニケーション学専攻修士課程)
要旨:韓流や欧米文化に囲まれる中国のメディア環境の中で、日本におけるメジャーなジャニーズ文化が中国ではサブカルチャーのような存在である。日本のアイドルファンについては一般人にあまり知られていない。それにもかかわらず、中国には少なからずジャニーズファンが存在する。中国の女性ジャニーズファンを対象として、インタビュー調査を実施し、ファンの日常的な行動を考察していく。また、台湾のジャニーズファンおよび中国の韓流ファンとの比較研究を行い、中国におけるメディア環境およびファンの特性を検討する。

 

お問い合わせ:
長崎励朗(関西例会担当委員)
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さい)
鈴木慎一郎(研究活動担当理事)
ssdeya_at_kwansei.ac.jp(_at_をアットマークに変えてご送信ください)

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