The Japanese Association for the Study of Popular Music

2017年度第1回関西地区例会

2017年度 第1回 関西地区例会

 

卒業論文・修士論文・博士論文報告会を下記の通り、開催いたします。

みなさまのご参加をお待ちしております。

 

日時:2017年3月24日(金)13:30~18:00

会場:関西大学 千里山キャンパス 第3学舎 A305教室

アクセス:阪急電鉄「梅田」駅から、千里線「北千里」行で「関大前」駅下車、または京都「河原町」行(通勤特急を除く)で「淡路」駅下車、「北千里」行に乗り換えて「関大前」駅下車、徒歩約5分

地図:http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html#map

 

発表1:オーディオ広告に見る「良い音」観の系譜(卒業論文)

浅巻祐真(京都文教大学総合社会学部)

本研究は1950年代から現在に至るまでのオーディオマニアが持っていた「良い音」観の変遷を明らかにすることを目的としている。方法としては、音楽之友社『レコード芸術』第1号 (1952年1月号) から第785号 (2016年2月号)に掲載されているスピーカーの広告を対象とし、キャッチコピーを抽出した。細分化メディアである雑誌の広告の内容を時代ごとに追っていくことは、各時代のオーディオマニアが持っていた「良い音」観を明らかにしてくれるはずである。

 

発表2:パチンコとアドルノ(卒業論文)

若宮花瑛(大阪市立大学文学部)

本発表の目的は、大衆文化としてのパチンコを、アドルノ理論に基づいて検討することにある。日本社会におけるパチンコは長い歴史と巨大な産業規模を持つにもかかわらず、これまで文化研究の対象として積極的に議論されてこなかった。パチンコの歴史を規制と音楽に注目して整理し、現在のパチンコ業界と音楽業界の相互に依存した関係を明らかにした上で、アドルノのポピュラー音楽批判の見地からの検討によって、パチンコが文化研究の対象となりにくい要因を明らかにする。

 

発表3:甲子園に広がるプロ野球応援歌――千葉ロッテマリーンズの応援が人気のワケ(卒業論文)

楠本美法(関西大学社会学部)

野球における応援歌は学生野球から始まった。応援歌はプロ野球に移入され、プロ野球では選手個別の応援歌も存在する。近年、高校野球の応援歌にプロ野球で使われている応援歌、特に千葉ロッテマリーンズのものが導入されることが盛んになった。なぜこのような現象が起きたのか、プロ野球の応援のあり方の変化、インターネットの普及という視点から明らかにする。

 

発表4:ロック文化におけるモッシュ行為の研究――理念と実践、個人と集団(修士論文)

中野太郎(大阪大学大学院文学研究科博士前期課程)

本研究が対象とするモッシュは、1980年代半ばのアメリカのハードコア・シーンで概念化されたライブ中の観客のふるまいである。それは、一般的な音楽聴取における「鑑賞」という聴取の形態とは大きく異なり、行為者同士はぶつかり合い、暴れ、走り回り、時にステージに背を向ける。本研究では自身のフィールドワークをもとに、現在の日本のライブシーンにおけるモッシュ実践に注目し、分析を行う。そのなかで、モッシュ文化における「理念」に着目する。

 

発表5:現代におけるライブパフォーマンスの変容に関する研究――応援上映と初音ミクのライブを事例に(修士論文)

吉村汐七(大阪大学大学院文学研究科博士前期課程)

近年のライブ市場の売り上げや漫画・ゲームを原作とした舞台の増加は、映像や音楽の受容の変化を裏付けている。さらに、架空のキャラクターのライブに熱狂する人々の存在にも注目すべきである。これは、インターネットやSNSの登場・発展により「ライブ」という言葉の概念が変化していることを意味しているだろう。本研究は、初音ミクのライブと映画『KING OF PRISM by PrettyRhythm』の応援上映の二つの事例から、現代のライブパフォーマンスについて考察している。

 

発表6:音楽を存在論的に理解すること――音楽実践の分析と形而上学は(どのように)結びつくか

田邉健太郎(立命館大学大学院生存学研究センター客員研究員)

本発表は、博士論文に基づき、分析美学における音楽の存在論の包括的見取り図を提示することを目的とする。第一に、「音楽作品とは何か」を論じる基礎的論争(fundamental debate)を、「音楽実践や音楽に関する信念等の分析」、「形而上学的考察」、「方法論的考察」という三つの視点から整理したのち、「そうした基礎的論争は作品概念の歴史的展開と機能に十分な注意を払っていない」とするリディア・ゲーアの批判を検討する。第二に、「録音物」をめぐる存在論的議論を取り上げ、ポピュラー音楽研究と存在論の結びつきを明確化したい。

 

例会終了後、懇親会を予定しています。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)

太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp

井上貴子(研究活動担当理事) fwgd0462[at]mb.infoweb.ne.jp

2017年度第1回関東地区例会

下記の通り、第1回関東地区例会を開催いたします。

 

今回は、前半は修士論文報告会、後半はKevin Fellezs氏の講演と、盛りだくさんのプログラムです。
ふるってご参加くださいますよう、皆様のご来場をお待ち申し上げております。

 

日時:2017年3月11日土曜日 14:00〜17:00
会場:大東文化大学板橋キャンパス 3号館3-1034教室
東武東上線東武練馬駅徒歩5分大東文化会館よりスクールバス
都営三田線西台駅徒歩9分
アクセスマップ http://www.daito.ac.jp/access/itabashi.html

 

プログラム

 

14:00-15:50 修士論文報告(報告40分、質疑応答15分)

(1)中野 哲 (東京藝術大学大学院音楽研究科音楽文化学専攻芸術環境創造領域修士課程)
東京ライブハウス文化の転換と再構築 ー中規模店舗のブッキングイベントを事例にー

(2)紺野泰洋(早稲田大学大学院教育学研究科修士課程)
「繋がり」のライブハウス——東北ライブハウス大作戦と大船渡LIVEHOUSE FREAKSをめぐって

 

16:00-17:00 講演 (通訳なし)

Kevin Fellezs (Assistant Professor of Music and African American Studies, Columbia University)
“My Island of Golden Dreams: Japanese Americans Performing Hawaiian Music in Japan”

講演者紹介
Kevin Fellezs氏(コロンビア大学准教授)は、著書Birds of Fire: Jazz, Rock, Funk, and the Creation of Fusion (2011)でアメリカのポピュラー音楽学会で高く評価された研究者で、現在はハワイアンの研究で著書を準備されています。
今回は、3月19日〜23日まで東京藝術大学で開催される国際音楽学会に出席のため来日されます。
国際音楽学会東京大会についてはhttp://ims2017-tokyo.org/をご覧ください。

 

17:30- 懇親会を予定しております。

 

問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
:井上貴子(研究活動担当理事) fwgd0462[at]mb.infoweb.ne.jp

2016年第4回関西地区例会(特別例会)

日本ポピュラー音楽学会2016年第4回関西地区特別例会のお知らせ
(日本音楽学会西日本支部 第35回(通算386回)例会と合同例会)

 
 

日本音楽学会と合同で特別例会を開催します。みなさまのご参加をお待ちしています。
 
 

日時:12月17日(土)14:30~17:00
場所:大阪市立大学杉本キャンパス 田中記念館2F会議室(正門の西隣、阪和線沿いの建物)
アクセス : JR阪和線杉本町駅下車徒歩3分。詳細は下記ウェブサイトをご参照ください。
地図 : http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/about/university/access#sugimoto
 
 

1.秋吉康晴(京都精華大学)
 
 
レコードの考古学——フォノグラフ、あるいは「音を書くこと」の含意について
 フォノグラフ、グラフォフォン、グラモフォン――これら黎明期の録音技術はいずれも「音を書く」という意味をもつことが知られている。古くからある書字の限界を超えて、音そのものを書き取ること。それこそが蓄音機に与えられた役割だったのである。
 では、そのような新しい書字の技術としての蓄音機は、どのようにして誕生したのだろうか。キットラー以来、その由来は多くの場合、フォノトグラフのような音響記録の技術に求められてきた。ところが、エジソンがフォノグラフを発明した経緯を調査すると、彼はもともと音の記録というよりも合成をおこなおうとしていたということが分かってきた。つまり、エジソンは音響として再生されうるパターンを物体に刻むことで、言語音を自在に生成することを目論んでいたようなのである。本発表ではそうした蓄音機の由来に着目することで、「音を書くこと」が記録を超えた含意をもっていたことを明らかにしたい。
 
 

2.ベニー・トン(オーストラリア国立大学大学院、大阪大学招聘研究員)
 
 
音楽を通して考える老後生活 ―カラオケ喫茶・教室における日常的実践―
日本のポピュラー音楽の人類学的な研究では、若者たちが集う音楽の現場とジャンルに関する調査が殆どである。しかし、高齢化社会である日本では、多くの年配者もポピュラー音楽に深く関わっており、その音楽行動は彼らの日常生活の不可欠な一部である。発表者は、ポピュラー音楽研究における高齢者文化の空白を埋めるため、年配の参加者が多いカラオケ喫茶と教室に注目する。東京と大阪での参与観察調査と聞き取り調査を通じて、高齢者がいかにカラオケの場で音楽と関わるかを調べてきた。本研究では、イアン・コンドリーの「ゲンバ」の概念とサイモン・フリスやティア・デノラが強調する音楽の感情的および身体的な側面についての議論を参考にし、カラオケ喫茶と教室における日常的な音楽実践を通じて、高齢者の生活における身体性、社会性と心性について検討する。さらに、そこで歌われる演歌や歌謡曲というジャンルのありかたについても考察する。
 
 

終了後懇親会を予定していますので、是非ご参加ください。
 
 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
 太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp
 粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com
 
 
 
 

2016年度第3回関西地区例会

2016年度第3回関西地区例会を下記の通り開催いたします。
皆さまのご参加をお待ちしております。

 
 

日時:10月22日(土)14:00-17:00
 

場所:関西大学千里山キャンパス第3学舎1号館3階 A305教室
 

 いずれも2017年1月に提出予定の修士論文についての報告です。

 
 

黄 慧(関西大学大学院社会学研究科M2)
 

「日中におけるKPOPファンの比較――ローカル化されるグローバル文化」
 

 KPOPの日本のファンと中国のファンは、異なった意識をもち異なった行動をとる。そのようなファンの意識・行動の相違はなぜ生じるのか。本研究では、ファン文化がそれぞれの国の規制の中で、音楽産業とファンとの間のせめぎ合いの中で形成されていることを、フィールドワークにもとづいて明らかにする。グローバルに展開される文化がいかにローカライズされるかの研究である。

 
 

余沛沛(関西大学大学院社会学研究科M2)
 
「中国におけるインディー・ロックシーンの形成――ライブハウス、ソーシャルメディアの役割を中心に」
 

 中国では、1990年代以降、インディー・ロックのシーンが形成されるようになった。本研究では、中国におけるインディー・ロック・シーンが、ローカル・シーン、トランスローカル・シーン、ヴァーチャル・シーン(Bennett &Peterson)それぞれの段階において、どのように形成されてきたかを、ライブハウス、ソーシャルメディアの役割に着目しながら、主に関係者のインタビューにより明らかにする。
 

 

終了後懇親会を予定していますので、こちらも是非ご参加ください。
 
 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)

太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp

粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com

2016年第1回中部地区研究例会

2016年第1回中部地区研究例会を下記の通り開催いたします。
 
皆さまのご参加をお待ちしております。
 
 

日時: 2016年10月23日(日)15:00~17:30
 

会場: 愛知県立大学・県立芸術大学サテライトキャンパス
愛知県産業労働センター 15階

 
愛知県名古屋市中村区名駅 4丁目4-38(名古屋駅から徒歩2分)

http://www.winc-aichi.jp/access/

 
 

研究発表: 

米国黒人ペンテコステ派教会における“音楽”
 

野澤豊一(富山大学人文学部)

 米国黒人教会の音楽文化は、20世紀大衆音楽の形成に大きな影響を及ぼした一方で、今日にいたるまでその独自性を保っている。それは、ブラック・ゴスペルという「ジャンル」が同時代性を失わずに進化を続けていることだけを指すのではない。牧師が伴奏者の力を借りつつ説教をクライマックスにいたらせる手法、継ぎ目なく導入される音楽が礼拝儀礼をミュージカルのように進行させる様子、信者の感情を高ぶらせたり会衆の一体感をつくりだしたりするのに強力な(呪術的ともいいうる)パワーを発揮する音楽――これらの音楽の利用法が、私たちのもつ近代的な「音楽」という概念を揺さぶるのである。

 発表者は、これまでのべ2年間にわたって、ミズーリ州セントルイス市の黒人ペンテコステ派教会を中心に、文化人類学的なフィールドワークを行ってきた。本発表では、現地で撮影した映像を交えながら、黒人教会の“音楽”のあり方がどのようなものかを考えたい。

 
 

懇親会:

例会終了後、懇親会を名古屋駅周辺で行います。参加費用は3500円前後を予定しています(食事と飲み物を含む)。参加希望の方は10月17日までにポープ(メールアドレスは下記)にご連絡ください。
 
 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください): 

エドガー・W・ポープ(研究活動委員・中部例会担当) pope[at]for.aichi-pu.ac.jp 

粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com
 
 
 
 

2016年第2回 関東地区例会

2016年第2回関東地区例会を下記の通り開催いたします。

皆さまのご参加をお待ちしております。
 
 

書評会『マス・メディア時代のポピュラー音楽を読み解く:流行現象からの脱却』

 

日時:9月17日(土)14:00-18:00
 

会場:立教大学池袋キャンパス 14号館D402号室
 

アクセス:JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線「池袋駅」下車。西口(C3出口)より徒歩約7分。正門から入り時計台のアーチを抜け右折、「鈴懸の径」を直進した先にある4号館の隣の建物。
 
 

地図:http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/

 

登壇者(以下敬称略)

著者・東谷護(成城大学)

評者・大山昌彦(東京工科大学)、久野陽一(青山学院大学)、瀧戸彩花(立教大学大学院生)
 
 

  

 混沌とした現代の音楽現象に着眼し、今日の日本社会の抱える問題を明示した『マス・メディア時代のポピュラー音楽を読み解く:流行現象からの脱却』(勁草書房,2016)をご執筆なされた東谷護氏をお迎えし、書評セッションを開催いたします。

 多角的な視点からポピュラー音楽の捉え方を検証し、現代のポピュラー音楽の研究に際する様々なアプローチを提示した本書は、作曲技術の変化、録音技術の発展、デジタル媒体の進化、これらに伴う作り手と受け手の諸相と、その複雑さを提示しています。本書を読み解くことは、「マルチ・メディア時代」の音楽を語るにあたり必要不可欠な地域性や文化的背景等を始めとした、様々な文脈を考慮したポピュラー音楽の考察方法の検討をより深め、本書では語りきれなかった現代のポピュラー音楽と社会的問題の実態を明示する一助になるのではないでしょうか。

 登壇者は、著者の東谷護氏、評者として、大山昌彦氏、久野陽一氏、瀧戸彩花が登壇します。
 

 書籍情報は以下のURLをご参照ください。http://www.keisoshobo.co.jp/book/b215010.html
 

 終了後、池袋近辺で懇親会を予定しております。こちらも奮ってご参加ください。

 
 

お問い合わせ

瀧戸彩花(関東例会担当研究活動委員)12vt009p[at]al.rikkyo.ac.jp([at]を@に変えてご送信ください)

粟谷佳司(研究活動担当理事)awatani[at]gmail.com([at]を@に変えてご送信ください)
 
 
 

2016年 第2回 関西地区例会

 
2016年度第2回関西地区例会を下記の通り開催いたします。

 

書評会:トマス・トゥリノ『ミュージック・アズ・ソーシャルライフ――歌い踊ることをめぐる政治』
 

 
日時:2016年8月30日(火)14:00-17:00
会場:関西大学 千里山キャンパス 第3学舎教室A305教室
アクセス:阪急電鉄「梅田」駅から、千里線「北千里」行で「関大前」駅下車、または京都「河原町」行(通勤特急を除く)で「淡路」駅下車、「北千里」行に乗り換えて「関大前」駅下車、徒歩約5分
 

 

地図:http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html#map

 

 

登壇者
訳者:野澤豊一(富山大学人文学部准教授)
評者:谷口文和(京都精華大学ポピュラーカルチャー学部専任講師)
  :秋山良都(大阪大学大学院文学研究科博士課程)
司会:輪島裕介(大阪大学大学院文学研究科准教授)
進行:太田健二(四天王寺大学人文社会学部准教授)

 

 

概要:
歌い踊ることは社交だ!――「参与型音楽」「上演型音楽」「ハイファイ型音楽」「スタジオアート型音楽」という枠組みによって、民族音楽、ポピュラー音楽、アート音楽のすべてを一つの土俵のうえで論じる、これからの音楽社会学のスタンダード本『ミュージック・アズ・ソーシャルライフ――歌い踊ることをめぐる政治』の書評会を行ないます。
本書訳者の野澤豊一氏に加え、評者として、『音響メディア史』『音楽未来形』などの著者谷口文和氏、ドイツの教会ブラスバンドのフィールドワークを行っている秋山良都氏、そして司会として、『創られた「日本の心」神話』『踊る昭和歌謡』などの著者輪島裕介氏が登壇します。
皆さまのご参加をお待ちしております。
 

 
終了後懇親会を予定していますので、こちらも是非ご参加ください。

 

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp
粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com

 

 

2016年 第1回 関西地区例会

 関西地区で、博士論文、博士論文構想報告会を下記の通り開催いたします。

みなさまのご参加をお待ちしております。

 

日時:2016326日(土)17:00~19:30

会場:関西大学 千里山キャンパス 3学舎 C404教室

アクセス:阪急電鉄「梅田」駅から、千里線「北千里」行で「関大前」駅下車、または京都「河原町」行(通勤特急を除く)で「淡路」駅下車、「北千里」行に乗り換えて「関大前」駅下車、徒歩約5

地図:http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html#map

 

発表1:社会を媒介する音楽――「出来事」の生成理論をめざして(博士論文)

吹上裕樹(関西学院大学大学院社会学研究科研究員)

 

本報告では、「音楽的媒介」の視点に基づきつつ、「音楽の社会性とは何か」という音楽社会学の基礎的な課題をあらためて検討する。「音楽的媒介」の視点とは、音楽を可能にする人々の行為や事物の働きと、そうした行為や働きを可能にする音楽自身の働きの両者に照準し、それらの同時的生成を考えるものである。ここでは、こうした視点の音楽社会学(ないし文化社会学)にとっての意義とその課題についても議論したい。

 

発表2:ウェブにおける音楽と賑わい――1990年代~2000年代初頭の日本の事例を中心に(博士論文構想)

岡田正樹(大阪市立大学大学院)

 

日本でのインターネット黎明期から普及期にあたる1990年代から2000年代前半の時期を中心として、不特定多数のユーザーが集う音楽実践の場としてインターネットを捉える構想や試みの内実を詳らかにするとともに、それらの構想や使用を通して、インターネット上にいかなる形で賑わいが生み出されたか(生み出されなかったか)を明らかにする。

 

例会終了後、懇親会を予定していますので、是非ご参加ください。

 

お問い合わせ([at]@に変えてご送信ください)
太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp
粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com

2016年 第1回関東地区例会

 

 

修士論文・卒業論文報告会を下記の通り開催いたします。

みなさまのご参加を心よりお待ちいたしております。

 

 

日時:3月19日(土)13:00-18:00

会場:立教大学 池袋キャンパス 5号館5402教室

アクセス:JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線「池袋駅」下車。西口(C3出口)より徒歩約7分。正門(セントポールプラザ側)から真正面の建物4階。

地図:http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/

 

 

発表1. 「SoundCloud」における音楽受容を通してみるコンテンツの断片化

発表者:北村心平(武蔵大学社会学部メディア社会学科4年)

要旨:音楽SNSの出現や、DTMの発達によって自己表現が容易となり、楽曲制作者と聴衆の音楽を取り巻く環境は大きく変化している。

音楽SNSとは、ユーザーが製作した音源をそのSNS上に投稿して、リスナーに音源を聴いてもらうことができるシステムである。今回扱うSoundCloudは、システムの手軽さ、スピード感、音源の視覚化によってネットを介する双方向コミュニケーションによって人々の音楽受容をより断片的なものにした。

インターネットの流動性によって私たちは情報の選別を迫られるようになった。そのための効率化がこのSoundCloudにおける断片消費に現れている。

 

 

発表2. クリエイター奨励プログラム登場による動画コンテンツの変化と展望

発表者:泊晋(立教大学社会学部現代文化学科4年)

要旨:2011年12月、ニコニコ動画は創作活動支援や二次創作文化の推進を目的として「クリエイター奨励プログラム」を開始した。クリエイターが積極的に動画サイトに作品を投稿した結果、動画サイトとそこでヒットする動画はその性質を変化させていった。本研究ではクリエイター奨励プログラム稼働前後のニコニコ動画の流行、またそれが引き金となって生まれた諸問題に触れると共に、新たに実用化されつつあるニコニコ動画上のコンテンツビジネスについて検証する。

 

 

発表3. 洋楽ロックを聴く若者の聴取意識

発表者:木村翔太(武蔵大学社会学部メディア社会学科4年)

要旨:あなたには、洋楽を聴く人々がどのように見えているだろうか。昨今『洋楽離れ』という言葉に象徴されるように、日本の音楽産業の中では英米ポップスの苦戦が色濃く存在している。よって洋楽を聴く若者というものはマイノリティになりつつあるわけだが、彼らはなぜあえて洋楽作品に愛着を持つのだろうか。本研究ではインタビューデータを基に、この命題を『作品文化の社会学』より≪趣向≫≪人的交流≫≪正統性≫≪偶像性≫それぞれをキーワードにして論じる。そして文化作品が私たちに与える様々な心的機制について考えていきたい。

 

 

発表4. サウンドトラックからみる音楽の受容と記憶

発表者:川本歩(武蔵大学社会学部メディア社会学科4年)

要旨:人が音楽を受容した際に受ける感覚は、楽曲そのものの音楽要因に起因すると考えられてきた。つまりテンポや音調、旋律や演奏(アーティキュレーション)などである。しかし実際は人は音楽を聴くとき様々な「状況」に置かれている。それにも関わらず、音楽の好みの分析においてその「状況」に触れられることはほとんど無かった。本研究ではこの「状況」、つまり音楽受容の際の「記憶」に焦点を置き、サウンドトラックを好んで聴取する人へインタビューを行い個人的記憶を掘り下げることで音楽受容と記憶の関係性を調査した。 またインタビューの内容からサウンドトラックの聴取のされ方を5つの類型に分け、それぞれの受容のされ方と記憶の関連を考察する。

 

 

発表5. クラブという空間を巡って―アニソンクラブイベントの現在―

発表者:浅野裕貴(東京芸術大学大学院音楽研究科音楽文化学専攻芸術環境創造領域修士課程2年)

要旨:本研究は、アニソンクラブイベントにおける諸実践を分析し、空間や集団性に焦点を当てることで今日の音楽文化の特徴的な一側面を考察する。 DJがアニメソングを流すアニソンクラブイベントでは、”クラブイベント”と称しているにも関わらずクラブでみられる空間とはかけ離れている。では、アニソンクラブイベントが形成する空間は一体何なのだろうか。フィールドワークやインタビュー調査を通じて明らかにする。また、「界隈」に着目することで、アニソンクラブイベントの特徴的な集団性を記述する。

 

 

終了後、池袋近辺で懇親会を予定しております。こちらも奮ってご参加ください。

 

 

お問い合わせ

瀧戸彩花(関東例会担当委員)

12vt009p[at]al.rikkyo.ac.jp([at]を@に変えてご送信ください)

粟谷佳司(研究活動担当理事)

awatani[at]gmail.com([at]を@に変えてご送信ください)

 

 

2015年第1回中部地区例会

2015年第1回中部地区例会を下記の通り開催いたします。皆さまのご参加をお待ちしております。

日時: 2015年11月14日(土)13:30~17:30

会場: 愛知県立大学・県立芸術大学サテライトキャンパス

愛知県産業労働センター 15階

愛知県名古屋市中村区名駅 4丁目4-38(名古屋駅から徒歩2分)

http://www.winc-aichi.jp/access/

 

 

プログラム:

発表1 「タンゴ」をめぐる言説の史的考察 ――カルロス・ベガのタンゴ論に焦点を当てて――

遠藤健太(名古屋大学大学院国際開発研究科博士後期課程)

 

19世紀末葉にブエノスアイレスの場末で生まれたとされる「タンゴ」は、いまではアルゼンチン文化の象徴のようなものとして広く認知されている。 しかし、同国のナショナリズム的な言説のなかで、タンゴが常にこうした認知を得てきたわけではない。近代化の過程で流入した移民・外来文化の混淆という過 程のなかで育まれたコスモポリタンな文化であったタンゴは、むしろ、アルゼンチンの土着性とは対極に位置するものとさえみられ、大部分のナショナリスト知 識人の間では嫌忌すらされてきたのだった。それでは、タンゴ(に代表されるような「場末」の文化)をアルゼンチン文化の重要な一要素として認知し、それを 称揚さえする、今日に通ずるような言説というのは、いつどのようにして生じてきたのか。本発表では、まず、アルゼンチンにおけるこの種の「親タンゴ」的な 言説の生成・変遷の過程を概観する。そのうえで、「研究者」という立場からタンゴの社会的認知に貢献した音楽学者カルロス・ベガ(1898-1966)の 活動に焦点を当てて、彼のタンゴ論の内容とその歴史的意義を考察したい。

 

 

発表2 大正期にみる子どもの音楽会について

葉口英子(静岡産業大学経営学部・准教授)

 

日本では、明治末期以降、劇場主催の歌劇・音楽・唱歌を含む子ども向けの音楽会や演奏会(聴取者、演奏者が子どもである音楽に関連した集会)がおこなわれるようになる。こうした‘子どもの音楽会’は、大正期には、童謡運動の高まりもあり、劇場をはじめ、児童雑誌の出版社、全国各地の童謡・童話研究会、新聞社、学校、地方自治体といった多くの組織や団体が開催する現象となった。本報告では、大正期にみる子どもの音楽会に着目し、その内容を調べ、概要を明らかにすることを目的とする。とりわけ、児童雑誌や少女雑誌が主催した音楽会に焦点をあて、演目にみられる特徴、少女と音楽の結びつき、家庭音楽という新しい価値観、新中間層の出現と家族の娯楽といった問題に触れながら、考察をすすめる。

 

懇親会:

例会終了後、懇親会を名古屋駅周辺で行います。参加費用は3500円前後を予定しています(食事と飲み物を含む)。参加希望の方は11月7日までにポープ(メールアドレスは下記)にご連絡ください。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください):

エドガー・W・ポープ(研究活動委員・中部例会担当)pope[at]for.aichi-pu.ac.jp
粟谷佳司(研究活動担当理事)awatani[at]gmail.com