The Japanese Association for the Study of Popular Music

2019年度 第4回 関西地区例会(台風延期後の開催)

2019年度 第4回 関西地区例会

 

先日の台風で延期となっておりました修士論文構想発表会を下記の通り開催いたします。

平日夕方の開催、ならびに直前の告知で大変恐縮ですが、みなさまのご参加をお待ちしております。

 

日時:2019年11月15日(金)17:00~20:00

会場:関西大学 千里山キャンパス 第三学舎 A404教室

 

アクセス:

阪急電鉄千里線・関大前駅下車、階段を上がり関西大学「西門」からエスカレーターを上がる。真正面に見える建物が第三学舎です。

 

アクセスマップ:

http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/access_senri.html

キャンパスマップ:

http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html

 

 

■発表1:

「中国における『限韓令』下のK-POPアイドルファン―インターネットでつながるファンコミュニティー」

邵 倩(ショウセイ)

(関西大学大学院社会学研究科マス・コミュニケーション学専攻博士課程前期課程2年)

 

【要旨】

1990年代初め、日本国内ではポピュラーミュージックに対し「J-POP」という言葉が使われ始めた。その影響を受け、韓国では1990年代中頃から韓国のポピュラーミュージックを指す「K-POP」という言葉が海外向けのプロモーションで使われるようになった。そして、韓国国内のチャートの上位であるK-POPアーティストやアイドルグループは東アジアを中心に近隣諸国に進出していった。現在、K-POPの海外進出はアジアに留まらず欧米にまで拡張している。

中国では2017年から政府より韓国アーティストに対する活動制限がかけられたと見られている。俗に、これは『限韓令』と呼ばれる。しかし、インターネットの発展によって依然として中国国内でのK-POPアイドルのファンは数多く存在している。

本研究では、中国のファンコミュニティーにおいてK-POPアイドルの進出に対してどのようなことが実践されたかを明らかにする。特に『限韓令』の下で「K-POPファン応援ステーション」に集う中国のファンたちの意識とその活動を分析対象とし、中国のK-POPファンコミュニティーの独特な構造を解明する。

 

注:中国のK-POPファン応援ステーション(韓国国内のペンカフェを模したもので、実際存在するカフェではなく、ポータルサイトにあるコミュニティー)が存在する。それらの組織がK-POPアイドルの応援活動をしている。

 

 

■発表2:

「ジャパニーズ・テクノのオリエンタリズム―YMOを中心に―」

阪本 有佳子

(関西大学大学院社会学研究科マス・コミュニケーション学専攻博士課程前期課程2年)

 

【要旨】

これまでに、日本のポピュラー・ミュージシャンの海外における活動の実践は、幾度もなされてきた。それには、いくつかの類型がある。一つは坂本九の『SUKIYAKI』(『上を向いて歩こう』, 1961年)のように、意図せず受容されたもの。一つは、ザ・ピーナッツやピンク・レディーなど、海外での活動を目的として、英詞の楽曲を発表してきたもの。一つは、X JAPANやDIR EN GREYなどのヴィジュアル系バンドのように、言語にこだわらず、メタルの文脈で受容されたもの。そして、イエロー・マジック・オーケストラやきゃりーぱみゅぱみゅのように、意図的にオリエンタリズムを表象したテクノ・ポップがある。

意図的なオリエンタリズム表象を用いず、海外で受容される日本のポピュラー・ミュージシャンもいる中で、海外での日本のポピュラー音楽受容において利用される意図的なオリエンタリズム表象には、どのような重要性があるのか。オリエンタリズム利用の元祖といえるテクノ・ポップ・バンド、イエロー・マジック・オーケストラを事例に、彼らはいかにオリエンタリズムを利用し、それはどのように受容されていたのか、当時の日本国内、そして、海外(アメリカ、ヨーロッパ)の新聞や雑誌記事の分析から考察したい。

 

 

■発表3:

「デイヴ・ブルーべック《ポインツ・オン・ジャズ》分析――模倣,重畳,融合の側面から」

近 祥伍

(大阪大学大学院文学研究科文化表現論専攻 音楽学研究室 博士前期課程2年)

 

【要旨】

デイヴ・ブルーベック(Dave Brubeck 1920-2012)は,アメリカ合衆国カリフォルニア州出身のジャズ・ピアニスト,作曲家である。彼の業績は主に,デイヴ・ブルーべック・カルテットの楽曲〈テイク・ファイヴ〉の大ヒットや,アメリカ国務省がスポンサーについた「ジャズ大使」として,冷戦下の共産圏や第三世界の人々に芸術音楽としての洗練されたジャズのイメージを広めたことで知られる。

ブルーべックはジャズとクラシック音楽の両分野に精通し作品を残したが,本論ではその中で,2台のピアノのためのバレエ組曲《ポインツ・オン・ジャズ》(1961)に注目し楽曲分析を行う。この作品の最大の特徴は,ブルーべックの作曲技法が集約されていることであり,彼がこれまでに学んできたジャズ,クラシック音楽,そして「ジャズ大使」のツアー中に出会った民俗音楽といった様々な音楽様式が自由に折衷されている。

発表者は,分析に際してこの作品を,⑴クラシック作曲家(J.S.バッハ,ショパン,ミヨー)の様式の「模倣」,⑵旋律,リズム,調性を垂直に重ねる「重畳(ちょうじょう)」,⑶様々なジャンルの音楽語法の「融合」という3つの側面から彼の創作の源泉に迫り,ブルーべック作品の特質にポストモダン性という新たな観点を加える。

 

 

例会終了後、懇親会を予定しています。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)

柴台弘毅(関西例会担当研究活動委員) kouki.layra[at]gmail.com

輪島裕介(研究活動担当理事) yskwjm[at]gmail.com

 

 

2019年度 第1回 中部地区例会

2019年第1回中部地区研究例会を下記の通り開催いたします。
皆さまのご参加をお待ちしております。

 

日時: 2019年11月16日(土)13:30~17:30
会場: 愛知県立大学・県立芸術大学サテライトキャンパス
愛知県産業労働センター 15階
愛知県名古屋市中村区名駅 4丁目4-38(名古屋駅から徒歩2分)
http://www.winc-aichi.jp/access/

 

研究発表1:
ダンス必修化は何をもたらすか
――ストリート」と「学校」の狭間で生じるストリートダンスの諸問題――
有國明弘 (大阪市立大学大学院文学研究科後期博士課程)

 

ラップやストリートダンスといった、海外でいわゆる「対抗文化」として誕生した音楽やスポーツは、日本でも若者を中心としたサブカルチャーとして受容され、今日ではそれらを実践する若者を街中やメディアでもよく目にするようになった。2012年からは、ストリートダンスが中学校保健体育でのダンス必修化で学校教育に取り入れられ、授業や部活動、さらにはオリンピックの競技種目化も現実味を帯びてきた。こうした社会的・国際的な関心の高まりとともに、若者のライフスタイルにおいても大きな比重を占めるようになりつつあるサブカルチャーの社会的影響力は、ますます看過できなくなっている。
一方でそれらは、既存の教育社会学的研究では若者にとって消極的に機能するものとして描き出され、社会も彼らを「不良」のように扱ってきた。そのため教育カリキュラムではストリートダンスの本来の「対抗文化」的側面などが不可視化され、学校や社会が求める全く別のダンスへの変容が見受けられる。つまり、日本のストリートダンスは、実践者たち(ミクロ)のローカル実践と、行政組織(マクロ)主導のローカル化の二重のローカル化が同時に進行している、非常に動的な事象といえよう。したがって本報告では、日本のストリートダンスの両ローカル化実践の内実を比較検討することで、そこで生じうる社会的・文化的な諸問題をいくつか提示し、それらについて議論を深めたい。

 

研究発表2:
「キューバ音楽」としてのレゲトン・クバーノの変容
――ヘンテ・デ・ゾーナを例に
畑陽子(愛知県立芸術大学大学院音楽研究科博士後期課程)

 

レゲトンは、2000年以降ラテン系の若者たちを中心に支持、実践されているダンス音楽である。同時期に、レゲトンはキューバでも受容され、新たにレゲトン・クバーノというジャンルを形成した。反帝国主義的な精神のもと、外来の音楽に自国の文化の要素を折り混ぜ、それを自国の音楽として発展させる習慣のあったキューバにおいて、レゲトンもキューバの伝統音楽の要素を取り入れながら変容していく傾向にあった。本発表では、キューバ国内外で活躍するレゲトン・クバーノのグループであるヘンテ・デ・ゾーナに焦点を当てる。彼らの作風は、キューバ音楽の要素を取り入れながらも、2000年代後半のヨーロッパ市場への進出、2014年の米国市場への進出を受けて、段階的に変化している。本発表では、彼らの作品の楽器編成、リズム、楽曲の速さ、そしてそれに付随するダンスの動きに着目し、その変化を示すとともに、それぞれの変化の要因を考察する。

 

研究発表3:
踊るJ-POP?−ダンスと振付の間
輪島裕介 (大阪大学文学部・大学院文学研究科)

 

発表者は、2015年に『踊る昭和歌謡』という書物を刊行した。その目的は、「鑑賞」という受容のあり方と対照的な参与的活動としての「踊るための音楽」の系譜を近代日本において辿ることだった。そこでは「踊る」ことに関する厳密な定義を避け、「音に反応した身体的動作」と概略的に捉えていたに過ぎず、具体的に念頭にあったのは、基本的なステップや動作のイディオムを即興的に組み合わせて、しばしば男女(あるいはリーダー/フォロワー)ペアで踊るものだった。それに対して、現代日本の大衆音楽においては、「踊る」ことは、音楽受容においてきわめて重要な要素になっている一方、それは殆どの場合、「予め設定された振付を覚え、複数人で同期させて遂行すること」であるようにみえる。発表者が現在取り組んでいる1970年代以降の日本のディスコ文化においても、「自由に踊る」ことと「振付を揃える」ことの関係はしばしば重要な問題として浮上している。そこで、本発表では、「踊る」ことと「振付」の関係について、1970年代から現在までを視野に入れて考察してみたい。

 

懇親会:
例会終了後、「サルバドール」(栄町・ブラジル料理)で懇親会を行います。参加費用は3000円を予定しています(飲み物は別)。参加希望の方は11月13日までにポープ(メールアドレスは下記)にご連絡ください。

 

お問い合わせ(_a_をアットマークに変えてご送信ください):
エドガー・W・ポープ(研究活動委員・中部例会担当)
pope_a_for.aichi-pu.ac.jp

台風による2019年度第4回関西地区例会延期について

(10/11 7:25更新)
10月12日(土)に開催を予定しておりました関西例会は、台風のため延期することにしました。
新しい日程と会場については追ってお知らせいたします。
—————————————————————————–
10月12日に開催予定の関西例会ですが、御存知の通り台風が近づいており、開催できない可能性があります。
開催については、原則的に、会場の関西大学の休講基準に従うこととしますが、前日までに中止を決定する場合もあります。
メールニュース及びJASPMウェブサイトで告知する予定ですが、研究活動理事宛にメールでお尋ね頂いても結構です(yskwjm [at] gmail.com)。

 

関西大学の休講等の基準は、以下のように公表されています。
http://www.kansai-u.ac.jp/mt/archives/2019/05/post_4317.html

 

大雨・暴風等についての基準の抜粋は以下の通りです。

 

●休講等の基準は、次のとおりとします。

大雨・暴風等
ア  大阪府に大雨、暴風、暴風雪、大雪のいずれかの特別警報が発表されたとき。
イ  大阪府内の市町村のいずれかに暴風警報が発表されたとき。
ウ  気象庁の予報等により、翌日の未明から夕刻までに大阪府に大規模な台風や豪雨
などの来襲が予測されるとき。

 

●警報等の発令及び交通機関の運行状況
6時までに解除・運行再開    平常どおり
10時までに解除・運行再開   第3時限から授業
13時までに解除・運行再開   第6時限から授業
13時を過ぎて解除・運行再開  休講

 

 

2019年度 第4回 関西地区例会

修士論文構想発表会を下記の通り開催いたします。

直前の告知で大変恐縮ですが、みなさまのご参加をお待ちしております。

 

日時:2019年10月12日(土)14:00~18:00

会場:関西大学 千里山キャンパス 第三学舎 A304教室

 

アクセス:

阪急電鉄千里線・関大前駅下車、階段を上がり関西大学「西門」からエスカレーターを上がる。真正面に見える建物が第三学舎です。

 

アクセスマップ:

http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/access_senri.html

キャンパスマップ:

http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html

 

 

■発表1:

「中国における『限韓令』下のK-POPアイドルファン―インターネットでつながるファンコミュニティー」

邵 倩(ショウセイ)

(関西大学大学院社会学研究科マス・コミュニケーション学専攻博士課程前期課程2年)

 

【要旨】

1990年代初め、日本国内ではポピュラーミュージックに対し「J-POP」という言葉が使われ始めた。その影響を受け、韓国では1990年代中頃から韓国のポピュラーミュージックを指す「K-POP」という言葉が海外向けのプロモーションで使われるようになった。そして、韓国国内のチャートの上位であるK-POPアーティストやアイドルグループは東アジアを中心に近隣諸国に進出していった。現在、K-POPの海外進出はアジアに留まらず欧米にまで拡張している。

中国では2017年から政府より韓国アーティストに対する活動制限がかけられたと見られている。俗に、これは『限韓令』と呼ばれる。しかし、インターネットの発展によって依然として中国国内でのK-POPアイドルのファンは数多く存在している。

本研究では、中国のファンコミュニティーにおいてK-POPアイドルの進出に対してどのようなことが実践されたかを明らかにする。特に『限韓令』の下で「K-POPファン応援ステーション」に集う中国のファンたちの意識とその活動を分析対象とし、中国のK-POPファンコミュニティーの独特な構造を解明する。

 

注:中国のK-POPファン応援ステーション(韓国国内のペンカフェを模したもので、実際存在するカフェではなく、ポータルサイトにあるコミュニティー)が存在する。それらの組織がK-POPアイドルの応援活動をしている。

 

 

■発表2:

「ジャパニーズ・テクノのオリエンタリズム―YMOを中心に―」

阪本 有佳子

(関西大学大学院社会学研究科マス・コミュニケーション学専攻博士課程前期課程2年)

 

【要旨】

これまでに、日本のポピュラー・ミュージシャンの海外における活動の実践は、幾度もなされてきた。それには、いくつかの類型がある。一つは坂本九の『SUKIYAKI』(『上を向いて歩こう』, 1961年)のように、意図せず受容されたもの。一つは、ザ・ピーナッツやピンク・レディーなど、海外での活動を目的として、英詞の楽曲を発表してきたもの。一つは、X JAPANやDIR EN GREYなどのヴィジュアル系バンドのように、言語にこだわらず、メタルの文脈で受容されたもの。そして、イエロー・マジック・オーケストラやきゃりーぱみゅぱみゅのように、意図的にオリエンタリズムを表象したテクノ・ポップがある。

意図的なオリエンタリズム表象を用いず、海外で受容される日本のポピュラー・ミュージシャンもいる中で、海外での日本のポピュラー音楽受容において利用される意図的なオリエンタリズム表象には、どのような重要性があるのか。オリエンタリズム利用の元祖といえるテクノ・ポップ・バンド、イエロー・マジック・オーケストラを事例に、彼らはいかにオリエンタリズムを利用し、それはどのように受容されていたのか、当時の日本国内、そして、海外(アメリカ、ヨーロッパ)の新聞や雑誌記事の分析から考察したい。

 

 

■発表3:

「デイヴ・ブルーべック《ポインツ・オン・ジャズ》分析――模倣,重畳,融合の側面から」

近 祥伍

(大阪大学大学院文学研究科文化表現論専攻 音楽学研究室 博士前期課程2年)

 

【要旨】

デイヴ・ブルーベック(Dave Brubeck 1920-2012)は,アメリカ合衆国カリフォルニア州出身のジャズ・ピアニスト,作曲家である。彼の業績は主に,デイヴ・ブルーべック・カルテットの楽曲〈テイク・ファイヴ〉の大ヒットや,アメリカ国務省がスポンサーについた「ジャズ大使」として,冷戦下の共産圏や第三世界の人々に芸術音楽としての洗練されたジャズのイメージを広めたことで知られる。

ブルーべックはジャズとクラシック音楽の両分野に精通し作品を残したが,本論ではその中で,2台のピアノのためのバレエ組曲《ポインツ・オン・ジャズ》(1961)に注目し楽曲分析を行う。この作品の最大の特徴は,ブルーべックの作曲技法が集約されていることであり,彼がこれまでに学んできたジャズ,クラシック音楽,そして「ジャズ大使」のツアー中に出会った民俗音楽といった様々な音楽様式が自由に折衷されている。

発表者は,分析に際してこの作品を,⑴クラシック作曲家(J.S.バッハ,ショパン,ミヨー)の様式の「模倣」,⑵旋律,リズム,調性を垂直に重ねる「重畳(ちょうじょう)」,⑶様々なジャンルの音楽語法の「融合」という3つの側面から彼の創作の源泉に迫り,ブルーべック作品の特質にポストモダン性という新たな観点を加える。

 

 

例会終了後、懇親会を予定しています。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)

柴台弘毅(関西例会担当研究活動委員) kouki.layra[at]gmail.com

輪島裕介(研究活動担当理事) yskwjm[at]gmail.com

 

 

2019年度 第2回 関東例会

シンポジウムを下記の通り開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。

 

「音楽放送からみる現代日本大衆音楽」
日時:2019年9月1日(日) 14:00開始
会場:大東文化会館3階K302(板橋校舎ではなく、東武練馬駅前の施設です。)
〒175-0083 東京都板橋区徳丸2-4-21
電話 03-5399-7399
東武東上線東武練馬駅北口より徒歩5分
アクセスマップ https://www.daito.ac.jp/file/block_49513_01.pdf

 

登壇者
問題提起:原田悦志(会員、日本放送協会)
応答1・日高良祐(会員、首都大学東京)「J-POPの国外での受容をめぐって」
応答2・輪島裕介(会員、大阪大学)「演歌・歌謡曲ジャンルの現在」
応答3・柴那典(非会員、音楽ジャーナリスト)「ヒット・チャートの現在」

 

趣旨
本シンポジウムの目的は、現代日本の大衆音楽文化に関わる放送番組の制作現場と研究・批評の文脈を接続することである。20世紀初頭以来、音楽放送は大衆音楽文化の形成・変容において大きな役割を担ってきたが、アーカイヴ化が困難であることも手伝って、十分な学術的検討が加えられてきたとは言い難い。また、制作者と研究者が議論を共有する機会も多くはなかった。そこで今回は、NHKの現役制作者である原田悦志会員を問題提起者に迎え、その担当番組に即して、日本大衆音楽の現在・過去・未来について検討する。NHK国際放送で日本の大衆音楽を国外に紹介する番組『J-MELO』に企画・立案から関わり、現在はNHK第1放送で、いわゆる「演歌・歌謡曲」を扱う番組『イチ押し 歌のパラダイス』と、ヒット曲を扱う番組『ミュージック・バズ』の制作を担当してきた原田会員は、制作者として第一線で活動する一方、多くの大学で教育・研究に従事している。その経験とデータに基づく問題提起に続けて、各討論者が、それぞれの番組のテーマに関連した応答を行い、フロアも含めて総合的な議論を行う。

 

例会終了後、懇親会を予定しています。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
大嶌徹(関東例会担当研究活動委員) oossttuu[at]yahoo.co.jp

 

2019年度 第3回 関西地区例会

修士論文・博士論文構想発表会を下記の通り開催いたします。

直前の告知で大変恐縮ですが、みなさまのご参加をお待ちしております。

 

日時:2019年7月13日(土)15:00~18:00

会場:関西大学 千里山キャンパス 第三学舎 A305教室

 

アクセス:阪急電鉄千里線・関大前駅下車、階段を上がり関西大学「西門」からエスカレーターを上がる。真正面に見える建物が第三学舎です。

 

アクセスマップ: http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/access_senri.html

キャンパスマップ: http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html

 

発表1:「戸川純における『レディ・ヒステリック』の表象」

李怡璇(大阪大学大学院文学研究科博士前期課程)

 

発表2:「インドネシアにおける音楽シーンの地殻変動:越境・超越・創造性への実践と政治」

金悠進(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究 研究科博士課程)

 

発表3:「シティポップの構築―シュガーベイブ『Songs』の名盤化過程を例に」

王婕(台湾大学音楽学研究所碩士班・関西大学社会学部)

 

例会終了後、懇親会を予定しています。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)

柴台弘毅(関西例会担当研究活動委員) kouki.layra[at]gmail.com

輪島裕介(研究活動担当理事) yskwjm[at]gmail.com

 

 

2019年度 第1回関東地区例会

2019年度 第一回関東地区例会

 

修士論文・博士論文報告会を下記の通り、開催いたします。
みなさまのご参加をお待ちしております。

 

日時:2019年3月23日(土曜日) 14:00-17:00
会場:武蔵大学1号館4階1403教室
https://www.musashi.ac.jp/annai/campus/ekoda.html
https://www.musashigakuen.jp/access.html

 

発表1: アニマルズ・アズ・リーダーズの楽曲における複雑なリズムパターンについて
大久保真由 東京芸術大学音楽学部楽理科
研究概要

 

発表2: カントリー・ミュージックにおける白人性構築–大恐慌期アメリカ中西部における人種と音楽–
三間美知太郎 東北大学国際文化研究科
研究概要

 

発表3: パチンコ台で再生される音楽ー修士論文『パチンコ業界におけるコンテンツ消費について』より
若宮花瑛 武蔵大学大学院人文科研究科
研究概要

 

例会終了後、懇親会を予定しています。
ぜひご参加ください。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
大嶌徹(関東例会担当研究活動委員) oossttuu[at]yahoo.co.jp

 

 

2019年度 第2回 関西地区例会

 

修士論文・博士論文報告会を下記の通り、開催いたします。

みなさまのご参加をお待ちしております。

 

日時:2019年3月19日(火)14:00~18:00

会場:大阪大学 豊中キャンパス 文法経講義棟 文13教室

アクセス:阪急電車宝塚線・石橋駅(急行停車)下車 東へ徒歩約15分。大阪モノレール 柴原駅下車 徒歩約15分

地図:https://www.let.osaka-u.ac.jp/ja/access

 

発表1:
「渋谷系」と「渋谷」のあいだ
——ポピュラー音楽のローカリティ形成と変容——
加藤賢(大阪大学大学院文学研究科博士前期課程)
本修士論文は、「渋谷系」のポピュラー音楽史における歴史的意義を再考するとともに、そのローカル性を論ずるものである。「渋谷」という地名を含むこの音楽ムーブメントは、その形成段階において、必ずしもこの地理空間と特権的に対応するものではなかった。だが音楽ジャーナリズムやメディア、あるいは行政と結びつくなかで、 後天的に「渋谷の音楽」へと位置付けられていく。本研究は「渋谷系はどこから来て、何を残したのか?」「渋谷系は渋谷の音楽なのか?」という2つの問いを軸に、その歴史的過程を解明する。

 

発表2:
「輸入大衆音楽のカテゴリー化―「ポップス」の語を中心に―」(修士論文)
芦崎瑞樹(大阪大学文学研究科博士前期課程)
本研究では戦後の輸入大衆音楽を指して「ポップス」という語がどのように使い始められ、普及していったかを明らかにすることを目指した。その過程を通し、日本における輸入大衆音楽受容のあり方を明らかにするとともに「ロック」中心のポピュラー音楽研究において抜け落ちていた音楽文化の一側面を照らし出すことができたと考える。

 

発表3:
「『アイドル声優』の成立とその構造ーー声と身体の関係性を中心に」(修士論文)
西浦 直輝(大阪市立大学大学院文学研究科前期博士課程)
声優は「一つの「声」に対して、「役の身体」と「声優自身の身体」という二つの身体像の対応が確認できる存在である」と定義できる。ここには身体の二重性が見られる。一つの声に二つの身体が対応する構造とはどのようなものか、そしてそれは声優の受容に如何なる影響を及ぼすのか。声の文節性に着目しつつ、考察する。

 

発表4:
「東京ロデオ—カントリー音楽の越境と日本人男性性の危機」(博士論文)
永冨 真梨(同志社大学グローバル・スタディーズ研究科博士後期課程)
本発表では、1920年代から1960年代半ばまで、なぜ日本人男性がアメリカのカントリー音楽とその主要なシンボルであるカウボーイを消費したかについて考察する。カントリー音楽とカウボーイに関する言説と表象、実践経緯を扱い、これらに主に関わった男性が、カントリー音楽の越境を通して、日本国家の方向性やアイデンティティーに必要な日本人男性性について議論したことを明らかにする。

 

例会終了後、懇親会を予定しています。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
柴台弘毅(関西例会担当研究活動委員) kouki.layra[at]gmail.com
輪島裕介(研究活動担当理事) yskwjm[at]gmail.com

 

 

2019年度 第1回関東地区例会 報告者の募集


2019年度第1回関東地区例会 報告者の募集


関東地区例会では、卒業論文・修士論文の発表会を開催します。
報告者を広く募集いたしますので、ポピュラー音楽に関する卒業論文・修士論文を執筆した大学生・大学院生は、ふるってご応募ください。
報告者は、例会開催時に非会員であっても構いません。


日時・会場は下記を予定しています。詳細は追ってご案内いたします。
日時:2019年3月23日(土曜日) 
会場:武蔵大学 アクセスマップ https://www.musashigakuen.jp/access.html


報告を希望される方は、1,200~1,600字程度で研究概要(題目・氏名・所属を明記)を作成し、3月3日(日曜日)までにファイルを下記のアドレスにお送りください。報告の可否については、研究活動委員会で検討の上お知らせいたします。報告が可となった報告者の研究概要は、学会ホームページやメールニュースでの案内にも使用します。


担当:大嶌徹(関東例会担当研究活動委員) 
jaspm.reikai[at]gmail.com( [at]を@に変えてご送信ください)

2019年度第1回関西地区例会

今年度よりJASPM研究活動理事に就任いたしました輪島裕介です。
1月19日に日本音楽学会西日本支部と合同で研究例会を開催します。
非常に野心的な内容のシンポジウムです。ぜひ奮ってご参加ください。
■日本ポピュラー音楽学会関西地区2019年度第1回研究例会
(日本音楽学会西日本支部 第44回(通算395回)例会と合同)
日  時 : 2019年1月19日(土)14:00〜
会  場 : 同志社女子大学今出川キャンパス 純生館 3階 301教室(正門入ってすぐ右に進んで最奥)
アクセス : 京都市営地下鉄烏丸線「今出川」駅下車徒歩5分、京阪電車「出町柳」駅徒歩10分
地  図 : http://www.dwc.doshisha.ac.jp/access/imadegawa/index.html
内  容 : シンポジウムシンポジウム「音・機械・身体――レコードをめぐる諸実践」

コーディネーター:
秋吉康晴(京都精華大学非常勤講師)
パネリスト:城一裕(九州大学)
ゲストパネリスト:DJ Sniff(アジアン・ミーティング・フェスティバル コ・ディレクター)

デジタル機器が多くのひとにとって生活の一部となっている現在、音楽は不可視のネットワーク上を光速で移動するデータの奔流となって、大気中に充満している。音楽を日常的に楽しむには、オーディオ機器さえもはや必要ではない。インターネットに接続された安価なPCかスマートフォンが一台あれば、十分である。その一方で、レコード(音盤)やカセットテープといった過去のメディアが再評価されつつあるという。ともすれば時代錯誤ともとれるこの現象は、しかし単なる懐古趣味によるものとは限らない。そこには、メディアの物質性が希薄化しつつある状況を背景にして、音楽を奏でる機械の具体性を想起し、ひいてはそれに触れる身体の感覚性を反省する契機が含まれてもいるように思われるからである。
こうした関心のもと、本シンポジウムで議論の題材として取り上げるのはレコードをめぐるアートの実践である。レコードの時代が終焉した現在だからこそ、レコードとはいったい何なのかを反省しつつ、創作に活用する作家はますます増えている。本シンポジウムではレコードの文化史を研究する秋吉康晴が司会進行を務め、パネリストにデジタル機器を駆使してレコードの定義を刷新してきた城一裕、ゲストパネリストにインプロビゼーションを通じてターンテーブルの演奏性を探求してきたDJ Sniff(水田拓郎)氏をお迎えし、レコードによって触発される音と機械と身体のダイナミックな関係性について考えてみたい。

問い合わせ先 輪島裕介(研究活動担当理事)yskwjm[at]gmail.com