カルロス・ベガの民謡・舞踊研究――ノンポリ音楽学者による「アルゼンチン文化」像の構築

会場:友愛館Y-002教室・14:00〜14:40

遠藤健太(名古屋大学大学院博士後期課程 日本学術振興会特別研究員DC2)


カルロス・ベガ(Carlos Vega, 1898-1966)は、アルゼンチンをはじめとする南米各地に伝わる民謡や舞踊の収集・体系化という先駆的な仕事を成したことで知られ、「アルゼンチン音楽学の開祖」と称されるとともに、近代科学としての民俗学の理論・方法論の立役者ともなった人物である。ベガの民謡・舞踊研究は、アルゼンチンおよびラテンアメリカ諸国の音楽学者・民俗学者らに多大な影響を及ぼしたばかりでなく、アルゼンチンの一般の人々の間にも流布して、通念としての「アルゼンチン文化」像の構築というべき働きをも成したと言える。 (さらに…)

ファン活動による「ヴィジュアル系」の形成――「やおい」作品の受容から

会場:友愛館Y005教室・15:20〜16:00

鈴木翠(京都精華大学大学院マンガ研究科博士後期課程)


「ヴィジュアル系」とマンガ・アニメ等の「オタク向け」コンテンツとの親和性は、同音楽ジャンルの特性といえないか。これの成立には、ミュージシャン達による世界観の提示や2000年代以降のアニメ作品とのタイアップだけでなく、ファン達の活動の共通性も無関係ではない。大槻ケンヂは同ジャンルファンの一つの主流を、男性ミュージシャン達の関係を同性愛に見立てる「やおいファン」と語っている。例えばジャニーズなどのやおい作品に対する隠匿性とは異なる傾向であり、女性層の多い実在人物ファンコミュニティとしても特異である。 (さらに…)

フェスをめぐる差異――「行く/行かない」と「行ける/行けない」

会場:友愛館Y-005教室・10:00〜13:00

永井純一(司会):神戸山手大学
永田夏来(問題提起者):兵庫教育大学
山崎翔(問題提起者):北海道大学大学院
ゆーきゃん(討論者):ボロフェスタ主催者・シンガーソングライター


1997年にはじまったフジロックフェスティバルは、その後の音楽イベントやライブ文化に大きな影響を与えた。それから20年近くが経過し、「フェス」をとりまく状況は、当時とはまったく異なるものへと変化している。それはすなわち、フェス文化なるものが芽生え、日本の社会的あるいは文化的な条件に適応する形で、その都度最適化されてきた結果であるといえるだろう。90年代からゼロ年代を経たフェスが、近年、次のフェーズへ移行しつつあるとして、現時点でその流れを把握し、それがどのようにローカライズされまた受容されているのかを整理しておくことは、ポピュラー音楽文化を語るうえで重要な作業だといえるのではないだろうか。

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