初音ミクライブにおけるオーディエンス──『初音ミク「マジカルミライ2013」』を事例に

会場:友愛館Y-004教室・14:00〜14:40

吉村汐七(大阪大学大学院文学研究科博士前期課程)


本発表では、2007年8月に発売された音声合成・デスクトップミュージック(DTM)ソフトウェア「初音ミク」のライブに注目し、その中で実際に何が行われているのかを明らかにしていく。特に今回は、実在しない初音ミクのライブに熱狂するオーディエンスの存在を中心に見ていく。

これまで、初音ミクに関する先行研究としては、音響技術的な観点や初音ミクのキャラクターそのものに注目したもの、ニコニコ動画と初音ミクの関係についてなどがあった。しかし (さらに…)

ブルースと子守歌――日本の近代化過程における大衆音楽の同化と異化

会場:友愛館Y-005教室・14:00〜14:40

遠藤薫(学習院大学)


19世紀後半における「開国」を契機として、日本社会にはさまざまな欧米文化が怒濤のように流入してきた。日本の文化は、この時期に大きな変容を遂げ、現在に至っていることはいうまでもない。この変容について、近年は、アンダーソン『想像の共同体』やホブスバウム『創られた伝統』などに影響を受けた議論が大きな影響力を持っている。それらは、近代化における「過去との断絶」を重視する。この視座は、「現在」を過剰に「民族的伝統」によって装飾し、正統化しようとする動きを牽制するという意味で高く評価される。だがその反面 (さらに…)

カルロス・ベガの民謡・舞踊研究――ノンポリ音楽学者による「アルゼンチン文化」像の構築

会場:友愛館Y-002教室・14:00〜14:40

遠藤健太(名古屋大学大学院博士後期課程 日本学術振興会特別研究員DC2)


カルロス・ベガ(Carlos Vega, 1898-1966)は、アルゼンチンをはじめとする南米各地に伝わる民謡や舞踊の収集・体系化という先駆的な仕事を成したことで知られ、「アルゼンチン音楽学の開祖」と称されるとともに、近代科学としての民俗学の理論・方法論の立役者ともなった人物である。ベガの民謡・舞踊研究は、アルゼンチンおよびラテンアメリカ諸国の音楽学者・民俗学者らに多大な影響を及ぼしたばかりでなく、アルゼンチンの一般の人々の間にも流布して、通念としての「アルゼンチン文化」像の構築というべき働きをも成したと言える。 (さらに…)

日本流の野外音楽フェスティバルはどのようにして作られたのか?

会場:友愛館Y-004教室・14:40〜15:20

山添南海子(日本大学大学院芸術学研究科芸術専攻博士後期課程)


野外音楽フェスティバル(以下フェス)が世界的に興隆し、拡大している。日本でもフェスの開催が盛況となり、毎年多数のフェスが開催されている。これまで多くのフェスが、それぞれ英米で開催されてきたロック、ジャズを主体としてフェスに倣い開催されてきた。日本へ本格的にフェスの移入がなされてから20年を近く経て、フェスが各地に定着するにつれて独自色も強化されている。現在では過去のフェスからの影響を受けずに新規開催されるフェスも出現し、強烈な個性を放つフェスも少なくない。 (さらに…)

ニューミュージックとは何だったのか?――J-POPの淵源を探る

会場:友愛館Y-005教室・14:40〜15:20

平川裕司(フリーランス)


かつてニューミュージックという言葉が、日本のポピュラー音楽をさす言葉として大きく取り上げられた時代があった。日本のポピュラー音楽シーンにおいて大きな転機を迎えたのは、60年代後半から70年代初頭で、プロの音楽家やプロの歌手が作り出す、いわゆる流行歌が主流だった時代から、自作自演のシンガーソングライターが登場してくる頃である。シンガーソングライターは、自分の言葉やメロディー、アーチスト性を遺憾なく発揮し、革新的な楽曲を世に送り出してきた。この変化はシンガーソングライターというアーチストだけの問題ではなく (さらに…)

1 2 3