日本流の野外音楽フェスティバルはどのようにして作られたのか?

会場:友愛館Y-004教室・14:40〜15:20

山添南海子(日本大学大学院芸術学研究科芸術専攻博士後期課程)


野外音楽フェスティバル(以下フェス)が世界的に興隆し、拡大している。日本でもフェスの開催が盛況となり、毎年多数のフェスが開催されている。これまで多くのフェスが、それぞれ英米で開催されてきたロック、ジャズを主体としてフェスに倣い開催されてきた。日本へ本格的にフェスの移入がなされてから20年を近く経て、フェスが各地に定着するにつれて独自色も強化されている。現在では過去のフェスからの影響を受けずに新規開催されるフェスも出現し、強烈な個性を放つフェスも少なくない。本発表では最初にフェスの構造と成り立ちから日本に定着する過程で、日本特有のフェスへと変成した点を探り、日本のフェスの独自性とフェスが日本中に拡散し定着した要因を考察していく。

現在国内で開催されているフェスの大多数は1997年のフジロックフェスティバルを嚆矢としている。その後フェスは20年足らずで日本国内へ拡散し、開催数を激増させたことになる。日本にフェスが移入された、1990年代のフェスは海外においても転換期であり、ロック及び音楽が思想、アートなど他のカルチャーとクロスオーバー著しい時期であった。日本で古来の風習や社会とフェスがクロスオーバーし、同時に国内でフェスの開催が拡散していったと考えられる。現在開催されているフェスの大半は全国的な知名度もなく、出演者も有名とは言い難いアーティストが多数見受けられる。それでも年々開催されるフェスは増加し、翌年以降も開催を重ねていくフェスが多数存在する。各地のフェスはどのような意図で開催されているのであろうか?

このような地域主体のフェスは、全国各地で地元有志と地域の産業などが組み開催されている。地域の人々が参与して形成されたフェスの目的、また地域における役割は何であるのか。最初に地域有志を色濃く打ち出し、日本型フェスのロールモデルとなった静岡県朝霧高原で開催されている、朝霧JAMを起点に日本各地のフェスの意義と地域におけるフェスの受容を探る。

その上でロックを主体とした音楽がフェスの主題として日本国内において席巻したのか。フェス空間における現象、フェスを構築している要素からフェスが地域、人々に与えた影響と変化を検討する。また日本からアジア各地へ拡散が開始されている、日本から今後のフェスの展望を見ていきたい。