日本ポピュラー音楽学会会員の皆様へ
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、日本のポピュラー音楽が直面する重大な危機に鑑みて、日本ポピュラー音楽学会理事会は、「新型コロナウイルスと音楽産業JASPM緊急調査プロジェクト2020」を推進していくことで合意いたしました。
つきましては、このプロジェクトにJASPM会員の皆様のご支援・ご協力をお願いしたく、ここに呼びかけ文を掲載いたします。
日本ポピュラー音楽学会 理事会
すでにメディアでも大きく取り上げられているとおり、新型コロナウイルスの感染拡大のために、日本のポピュラー音楽は大きな「危機」を迎えています。2月末の政府の自粛要請を受け、コンサートやライブ、イベントの中止が相次ぎ、辛うじて開催するライブなどのイベントもほとんど集客が見込めない状態が続いています。特にライブハウスやクラブは、新型コロナウイルス感染の重要なクラスター拠点の一つとしてみなされているために、経済的にも社会的にも追い詰められています。
ミュージシャン、ライブハウス、イベント会社、マネジメント会社から音響や照明会社にいたるまで音楽産業のインフラ、そして音楽文化そのものが「危機」に瀕していると言えるかもしれません。
この危機的状況を受けて、音楽業界からもさまざまな動きが起こっています。3月17日には「新型コロナウイルスからライブ・エンタテイメントを守る超党派議員の会」が衆議院第一議員会館で開催され、党派を超えた国会議員と多くの業界団体が参加し、ライブ・エンターテインメント音楽産業の「危機」を訴えました。さらに、ミュージシャンやDJ,ライブハウス、クラブ劇場関係者たちが国からの助成金を訴える SaveOurSpaceが10日余りで30万筆以上の署名を集め、3月31日に国会に提出しました。
JASPM緊急調査2020は、この「危機」を踏まえて、ポピュラー音楽研究者という立場から、現在新型コロナウイルスの感染拡大の中でポピュラー音楽とそれを支える産業や業界、文化や施設、インフラに何が起こっているのかを緊急調査し、随時発表することで、問題の共有し、対策を考えていくためにJASPM有志による特別プロジェクトとして立ち上がりました。
こうした緊急事態なので、どのような活動をどの程度期間と規模で行うのか、どのような調査方法で行うのかといったことについては、活動を続けていく中で議論していくことになります。とりあえずは、情報収集と発信のためのウェブを立ち上げ、現状把握のための関係者への聞き取り調査を始めました。なお、業界全体が経済的危機に直面しておりスピードが重要だと考えています。調査の経過につきましては、随時メーリングリストやウェブサイト等を通じて報告いたします。
またその調査結果については、JASPMの研究活動委員会と連動して地区例会、年次大会で議論する機会を設ける予定です。
JASPMの中でも興味関心のある会員もいると思います。長期のプロジェクトになる事が予想されます。何らかの形でプロジェクトに関われる方はぜひご連絡いただければと思います。
emgsurvey[a]jaspm.jp ([a]は@に置き換えてメール送信してください。)
新型コロナウイルスと音楽産業JASPM緊急調査プロジェクト2020
呼びかけ人
毛利嘉孝
南田勝也
輪島裕介
宮入恭平
篠田ミル
日高良祐
忠 聡太
小林篤茂
中野 哲
上岡磨奈
野村 駿
澤田聖也
宮坂遼太郎