The Japanese Association for the Study of Popular Music

2016年 第1回関東地区例会

 

 

修士論文・卒業論文報告会を下記の通り開催いたします。

みなさまのご参加を心よりお待ちいたしております。

 

 

日時:3月19日(土)13:00-18:00

会場:立教大学 池袋キャンパス 5号館5402教室

アクセス:JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線「池袋駅」下車。西口(C3出口)より徒歩約7分。正門(セントポールプラザ側)から真正面の建物4階。

地図:http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/

 

 

発表1. 「SoundCloud」における音楽受容を通してみるコンテンツの断片化

発表者:北村心平(武蔵大学社会学部メディア社会学科4年)

要旨:音楽SNSの出現や、DTMの発達によって自己表現が容易となり、楽曲制作者と聴衆の音楽を取り巻く環境は大きく変化している。

音楽SNSとは、ユーザーが製作した音源をそのSNS上に投稿して、リスナーに音源を聴いてもらうことができるシステムである。今回扱うSoundCloudは、システムの手軽さ、スピード感、音源の視覚化によってネットを介する双方向コミュニケーションによって人々の音楽受容をより断片的なものにした。

インターネットの流動性によって私たちは情報の選別を迫られるようになった。そのための効率化がこのSoundCloudにおける断片消費に現れている。

 

 

発表2. クリエイター奨励プログラム登場による動画コンテンツの変化と展望

発表者:泊晋(立教大学社会学部現代文化学科4年)

要旨:2011年12月、ニコニコ動画は創作活動支援や二次創作文化の推進を目的として「クリエイター奨励プログラム」を開始した。クリエイターが積極的に動画サイトに作品を投稿した結果、動画サイトとそこでヒットする動画はその性質を変化させていった。本研究ではクリエイター奨励プログラム稼働前後のニコニコ動画の流行、またそれが引き金となって生まれた諸問題に触れると共に、新たに実用化されつつあるニコニコ動画上のコンテンツビジネスについて検証する。

 

 

発表3. 洋楽ロックを聴く若者の聴取意識

発表者:木村翔太(武蔵大学社会学部メディア社会学科4年)

要旨:あなたには、洋楽を聴く人々がどのように見えているだろうか。昨今『洋楽離れ』という言葉に象徴されるように、日本の音楽産業の中では英米ポップスの苦戦が色濃く存在している。よって洋楽を聴く若者というものはマイノリティになりつつあるわけだが、彼らはなぜあえて洋楽作品に愛着を持つのだろうか。本研究ではインタビューデータを基に、この命題を『作品文化の社会学』より≪趣向≫≪人的交流≫≪正統性≫≪偶像性≫それぞれをキーワードにして論じる。そして文化作品が私たちに与える様々な心的機制について考えていきたい。

 

 

発表4. サウンドトラックからみる音楽の受容と記憶

発表者:川本歩(武蔵大学社会学部メディア社会学科4年)

要旨:人が音楽を受容した際に受ける感覚は、楽曲そのものの音楽要因に起因すると考えられてきた。つまりテンポや音調、旋律や演奏(アーティキュレーション)などである。しかし実際は人は音楽を聴くとき様々な「状況」に置かれている。それにも関わらず、音楽の好みの分析においてその「状況」に触れられることはほとんど無かった。本研究ではこの「状況」、つまり音楽受容の際の「記憶」に焦点を置き、サウンドトラックを好んで聴取する人へインタビューを行い個人的記憶を掘り下げることで音楽受容と記憶の関係性を調査した。 またインタビューの内容からサウンドトラックの聴取のされ方を5つの類型に分け、それぞれの受容のされ方と記憶の関連を考察する。

 

 

発表5. クラブという空間を巡って―アニソンクラブイベントの現在―

発表者:浅野裕貴(東京芸術大学大学院音楽研究科音楽文化学専攻芸術環境創造領域修士課程2年)

要旨:本研究は、アニソンクラブイベントにおける諸実践を分析し、空間や集団性に焦点を当てることで今日の音楽文化の特徴的な一側面を考察する。 DJがアニメソングを流すアニソンクラブイベントでは、”クラブイベント”と称しているにも関わらずクラブでみられる空間とはかけ離れている。では、アニソンクラブイベントが形成する空間は一体何なのだろうか。フィールドワークやインタビュー調査を通じて明らかにする。また、「界隈」に着目することで、アニソンクラブイベントの特徴的な集団性を記述する。

 

 

終了後、池袋近辺で懇親会を予定しております。こちらも奮ってご参加ください。

 

 

お問い合わせ

瀧戸彩花(関東例会担当委員)

12vt009p[at]al.rikkyo.ac.jp([at]を@に変えてご送信ください)

粟谷佳司(研究活動担当理事)

awatani[at]gmail.com([at]を@に変えてご送信ください)