The Japanese Association for the Study of Popular Music

2015年第1回中部地区例会

2015年第1回中部地区例会を下記の通り開催いたします。皆さまのご参加をお待ちしております。

日時: 2015年11月14日(土)13:30~17:30

会場: 愛知県立大学・県立芸術大学サテライトキャンパス

愛知県産業労働センター 15階

愛知県名古屋市中村区名駅 4丁目4-38(名古屋駅から徒歩2分)

http://www.winc-aichi.jp/access/

 

 

プログラム:

発表1 「タンゴ」をめぐる言説の史的考察 ――カルロス・ベガのタンゴ論に焦点を当てて――

遠藤健太(名古屋大学大学院国際開発研究科博士後期課程)

 

19世紀末葉にブエノスアイレスの場末で生まれたとされる「タンゴ」は、いまではアルゼンチン文化の象徴のようなものとして広く認知されている。 しかし、同国のナショナリズム的な言説のなかで、タンゴが常にこうした認知を得てきたわけではない。近代化の過程で流入した移民・外来文化の混淆という過 程のなかで育まれたコスモポリタンな文化であったタンゴは、むしろ、アルゼンチンの土着性とは対極に位置するものとさえみられ、大部分のナショナリスト知 識人の間では嫌忌すらされてきたのだった。それでは、タンゴ(に代表されるような「場末」の文化)をアルゼンチン文化の重要な一要素として認知し、それを 称揚さえする、今日に通ずるような言説というのは、いつどのようにして生じてきたのか。本発表では、まず、アルゼンチンにおけるこの種の「親タンゴ」的な 言説の生成・変遷の過程を概観する。そのうえで、「研究者」という立場からタンゴの社会的認知に貢献した音楽学者カルロス・ベガ(1898-1966)の 活動に焦点を当てて、彼のタンゴ論の内容とその歴史的意義を考察したい。

 

 

発表2 大正期にみる子どもの音楽会について

葉口英子(静岡産業大学経営学部・准教授)

 

日本では、明治末期以降、劇場主催の歌劇・音楽・唱歌を含む子ども向けの音楽会や演奏会(聴取者、演奏者が子どもである音楽に関連した集会)がおこなわれるようになる。こうした‘子どもの音楽会’は、大正期には、童謡運動の高まりもあり、劇場をはじめ、児童雑誌の出版社、全国各地の童謡・童話研究会、新聞社、学校、地方自治体といった多くの組織や団体が開催する現象となった。本報告では、大正期にみる子どもの音楽会に着目し、その内容を調べ、概要を明らかにすることを目的とする。とりわけ、児童雑誌や少女雑誌が主催した音楽会に焦点をあて、演目にみられる特徴、少女と音楽の結びつき、家庭音楽という新しい価値観、新中間層の出現と家族の娯楽といった問題に触れながら、考察をすすめる。

 

懇親会:

例会終了後、懇親会を名古屋駅周辺で行います。参加費用は3500円前後を予定しています(食事と飲み物を含む)。参加希望の方は11月7日までにポープ(メールアドレスは下記)にご連絡ください。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください):

エドガー・W・ポープ(研究活動委員・中部例会担当)pope[at]for.aichi-pu.ac.jp
粟谷佳司(研究活動担当理事)awatani[at]gmail.com