Japanese Association for Studying Popular Music

2016年第4回関西地区例会(特別例会)

日本ポピュラー音楽学会2016年第4回関西地区特別例会のお知らせ
(日本音楽学会西日本支部 第35回(通算386回)例会と合同例会)

 
 

日本音楽学会と合同で特別例会を開催します。みなさまのご参加をお待ちしています。
 
 

日時:12月17日(土)14:30~17:00
場所:大阪市立大学杉本キャンパス 田中記念館2F会議室(正門の西隣、阪和線沿いの建物)
アクセス : JR阪和線杉本町駅下車徒歩3分。詳細は下記ウェブサイトをご参照ください。
地図 : http://www.osaka-cu.ac.jp/ja/about/university/access#sugimoto
 
 

1.秋吉康晴(京都精華大学)
 
 
レコードの考古学——フォノグラフ、あるいは「音を書くこと」の含意について
 フォノグラフ、グラフォフォン、グラモフォン――これら黎明期の録音技術はいずれも「音を書く」という意味をもつことが知られている。古くからある書字の限界を超えて、音そのものを書き取ること。それこそが蓄音機に与えられた役割だったのである。
 では、そのような新しい書字の技術としての蓄音機は、どのようにして誕生したのだろうか。キットラー以来、その由来は多くの場合、フォノトグラフのような音響記録の技術に求められてきた。ところが、エジソンがフォノグラフを発明した経緯を調査すると、彼はもともと音の記録というよりも合成をおこなおうとしていたということが分かってきた。つまり、エジソンは音響として再生されうるパターンを物体に刻むことで、言語音を自在に生成することを目論んでいたようなのである。本発表ではそうした蓄音機の由来に着目することで、「音を書くこと」が記録を超えた含意をもっていたことを明らかにしたい。
 
 

2.ベニー・トン(オーストラリア国立大学大学院、大阪大学招聘研究員)
 
 
音楽を通して考える老後生活 ―カラオケ喫茶・教室における日常的実践―
日本のポピュラー音楽の人類学的な研究では、若者たちが集う音楽の現場とジャンルに関する調査が殆どである。しかし、高齢化社会である日本では、多くの年配者もポピュラー音楽に深く関わっており、その音楽行動は彼らの日常生活の不可欠な一部である。発表者は、ポピュラー音楽研究における高齢者文化の空白を埋めるため、年配の参加者が多いカラオケ喫茶と教室に注目する。東京と大阪での参与観察調査と聞き取り調査を通じて、高齢者がいかにカラオケの場で音楽と関わるかを調べてきた。本研究では、イアン・コンドリーの「ゲンバ」の概念とサイモン・フリスやティア・デノラが強調する音楽の感情的および身体的な側面についての議論を参考にし、カラオケ喫茶と教室における日常的な音楽実践を通じて、高齢者の生活における身体性、社会性と心性について検討する。さらに、そこで歌われる演歌や歌謡曲というジャンルのありかたについても考察する。
 
 

終了後懇親会を予定していますので、是非ご参加ください。
 
 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
 太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp
 粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com
 
 
 
 

2016年度第3回関西地区例会

2016年度第3回関西地区例会を下記の通り開催いたします。
皆さまのご参加をお待ちしております。

 
 

日時:10月22日(土)14:00-17:00
 

場所:関西大学千里山キャンパス第3学舎1号館3階 A305教室
 

 いずれも2017年1月に提出予定の修士論文についての報告です。

 
 

黄 慧(関西大学大学院社会学研究科M2)
 

「日中におけるKPOPファンの比較――ローカル化されるグローバル文化」
 

 KPOPの日本のファンと中国のファンは、異なった意識をもち異なった行動をとる。そのようなファンの意識・行動の相違はなぜ生じるのか。本研究では、ファン文化がそれぞれの国の規制の中で、音楽産業とファンとの間のせめぎ合いの中で形成されていることを、フィールドワークにもとづいて明らかにする。グローバルに展開される文化がいかにローカライズされるかの研究である。

 
 

余沛沛(関西大学大学院社会学研究科M2)
 
「中国におけるインディー・ロックシーンの形成――ライブハウス、ソーシャルメディアの役割を中心に」
 

 中国では、1990年代以降、インディー・ロックのシーンが形成されるようになった。本研究では、中国におけるインディー・ロック・シーンが、ローカル・シーン、トランスローカル・シーン、ヴァーチャル・シーン(Bennett &Peterson)それぞれの段階において、どのように形成されてきたかを、ライブハウス、ソーシャルメディアの役割に着目しながら、主に関係者のインタビューにより明らかにする。
 

 

終了後懇親会を予定していますので、こちらも是非ご参加ください。
 
 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)

太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp

粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com

2016年第1回中部地区研究例会

2016年第1回中部地区研究例会を下記の通り開催いたします。
 
皆さまのご参加をお待ちしております。
 
 

日時: 2016年10月23日(日)15:00~17:30
 

会場: 愛知県立大学・県立芸術大学サテライトキャンパス
愛知県産業労働センター 15階

 
愛知県名古屋市中村区名駅 4丁目4-38(名古屋駅から徒歩2分)

http://www.winc-aichi.jp/access/

 
 

研究発表: 

米国黒人ペンテコステ派教会における“音楽”
 

野澤豊一(富山大学人文学部)

 米国黒人教会の音楽文化は、20世紀大衆音楽の形成に大きな影響を及ぼした一方で、今日にいたるまでその独自性を保っている。それは、ブラック・ゴスペルという「ジャンル」が同時代性を失わずに進化を続けていることだけを指すのではない。牧師が伴奏者の力を借りつつ説教をクライマックスにいたらせる手法、継ぎ目なく導入される音楽が礼拝儀礼をミュージカルのように進行させる様子、信者の感情を高ぶらせたり会衆の一体感をつくりだしたりするのに強力な(呪術的ともいいうる)パワーを発揮する音楽――これらの音楽の利用法が、私たちのもつ近代的な「音楽」という概念を揺さぶるのである。

 発表者は、これまでのべ2年間にわたって、ミズーリ州セントルイス市の黒人ペンテコステ派教会を中心に、文化人類学的なフィールドワークを行ってきた。本発表では、現地で撮影した映像を交えながら、黒人教会の“音楽”のあり方がどのようなものかを考えたい。

 
 

懇親会:

例会終了後、懇親会を名古屋駅周辺で行います。参加費用は3500円前後を予定しています(食事と飲み物を含む)。参加希望の方は10月17日までにポープ(メールアドレスは下記)にご連絡ください。
 
 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください): 

エドガー・W・ポープ(研究活動委員・中部例会担当) pope[at]for.aichi-pu.ac.jp 

粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com
 
 
 
 

2016年第2回 関東地区例会

2016年第2回関東地区例会を下記の通り開催いたします。

皆さまのご参加をお待ちしております。
 
 

書評会『マス・メディア時代のポピュラー音楽を読み解く:流行現象からの脱却』

 

日時:9月17日(土)14:00-18:00
 

会場:立教大学池袋キャンパス 14号館D402号室
 

アクセス:JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線「池袋駅」下車。西口(C3出口)より徒歩約7分。正門から入り時計台のアーチを抜け右折、「鈴懸の径」を直進した先にある4号館の隣の建物。
 
 

地図:http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/

 

登壇者(以下敬称略)

著者・東谷護(成城大学)

評者・大山昌彦(東京工科大学)、久野陽一(青山学院大学)、瀧戸彩花(立教大学大学院生)
 
 

  

 混沌とした現代の音楽現象に着眼し、今日の日本社会の抱える問題を明示した『マス・メディア時代のポピュラー音楽を読み解く:流行現象からの脱却』(勁草書房,2016)をご執筆なされた東谷護氏をお迎えし、書評セッションを開催いたします。

 多角的な視点からポピュラー音楽の捉え方を検証し、現代のポピュラー音楽の研究に際する様々なアプローチを提示した本書は、作曲技術の変化、録音技術の発展、デジタル媒体の進化、これらに伴う作り手と受け手の諸相と、その複雑さを提示しています。本書を読み解くことは、「マルチ・メディア時代」の音楽を語るにあたり必要不可欠な地域性や文化的背景等を始めとした、様々な文脈を考慮したポピュラー音楽の考察方法の検討をより深め、本書では語りきれなかった現代のポピュラー音楽と社会的問題の実態を明示する一助になるのではないでしょうか。

 登壇者は、著者の東谷護氏、評者として、大山昌彦氏、久野陽一氏、瀧戸彩花が登壇します。
 

 書籍情報は以下のURLをご参照ください。http://www.keisoshobo.co.jp/book/b215010.html
 

 終了後、池袋近辺で懇親会を予定しております。こちらも奮ってご参加ください。

 
 

お問い合わせ

瀧戸彩花(関東例会担当研究活動委員)12vt009p[at]al.rikkyo.ac.jp([at]を@に変えてご送信ください)

粟谷佳司(研究活動担当理事)awatani[at]gmail.com([at]を@に変えてご送信ください)
 
 
 

2016年 第2回 関西地区例会

 
2016年度第2回関西地区例会を下記の通り開催いたします。

 

書評会:トマス・トゥリノ『ミュージック・アズ・ソーシャルライフ――歌い踊ることをめぐる政治』
 

 
日時:2016年8月30日(火)14:00-17:00
会場:関西大学 千里山キャンパス 第3学舎教室A305教室
アクセス:阪急電鉄「梅田」駅から、千里線「北千里」行で「関大前」駅下車、または京都「河原町」行(通勤特急を除く)で「淡路」駅下車、「北千里」行に乗り換えて「関大前」駅下車、徒歩約5分
 

 

地図:http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html#map

 

 

登壇者
訳者:野澤豊一(富山大学人文学部准教授)
評者:谷口文和(京都精華大学ポピュラーカルチャー学部専任講師)
  :秋山良都(大阪大学大学院文学研究科博士課程)
司会:輪島裕介(大阪大学大学院文学研究科准教授)
進行:太田健二(四天王寺大学人文社会学部准教授)

 

 

概要:
歌い踊ることは社交だ!――「参与型音楽」「上演型音楽」「ハイファイ型音楽」「スタジオアート型音楽」という枠組みによって、民族音楽、ポピュラー音楽、アート音楽のすべてを一つの土俵のうえで論じる、これからの音楽社会学のスタンダード本『ミュージック・アズ・ソーシャルライフ――歌い踊ることをめぐる政治』の書評会を行ないます。
本書訳者の野澤豊一氏に加え、評者として、『音響メディア史』『音楽未来形』などの著者谷口文和氏、ドイツの教会ブラスバンドのフィールドワークを行っている秋山良都氏、そして司会として、『創られた「日本の心」神話』『踊る昭和歌謡』などの著者輪島裕介氏が登壇します。
皆さまのご参加をお待ちしております。
 

 
終了後懇親会を予定していますので、こちらも是非ご参加ください。

 

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp
粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com

 

 

2016年 第1回 関西地区例会

 関西地区で、博士論文、博士論文構想報告会を下記の通り開催いたします。

みなさまのご参加をお待ちしております。

 

日時:2016326日(土)17:00~19:30

会場:関西大学 千里山キャンパス 3学舎 C404教室

アクセス:阪急電鉄「梅田」駅から、千里線「北千里」行で「関大前」駅下車、または京都「河原町」行(通勤特急を除く)で「淡路」駅下車、「北千里」行に乗り換えて「関大前」駅下車、徒歩約5

地図:http://www.kansai-u.ac.jp/global/guide/mapsenri.html#map

 

発表1:社会を媒介する音楽――「出来事」の生成理論をめざして(博士論文)

吹上裕樹(関西学院大学大学院社会学研究科研究員)

 

本報告では、「音楽的媒介」の視点に基づきつつ、「音楽の社会性とは何か」という音楽社会学の基礎的な課題をあらためて検討する。「音楽的媒介」の視点とは、音楽を可能にする人々の行為や事物の働きと、そうした行為や働きを可能にする音楽自身の働きの両者に照準し、それらの同時的生成を考えるものである。ここでは、こうした視点の音楽社会学(ないし文化社会学)にとっての意義とその課題についても議論したい。

 

発表2:ウェブにおける音楽と賑わい――1990年代~2000年代初頭の日本の事例を中心に(博士論文構想)

岡田正樹(大阪市立大学大学院)

 

日本でのインターネット黎明期から普及期にあたる1990年代から2000年代前半の時期を中心として、不特定多数のユーザーが集う音楽実践の場としてインターネットを捉える構想や試みの内実を詳らかにするとともに、それらの構想や使用を通して、インターネット上にいかなる形で賑わいが生み出されたか(生み出されなかったか)を明らかにする。

 

例会終了後、懇親会を予定していますので、是非ご参加ください。

 

お問い合わせ([at]@に変えてご送信ください)
太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp
粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com

2016年 第1回関東地区例会

 

 

修士論文・卒業論文報告会を下記の通り開催いたします。

みなさまのご参加を心よりお待ちいたしております。

 

 

日時:3月19日(土)13:00-18:00

会場:立教大学 池袋キャンパス 5号館5402教室

アクセス:JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線「池袋駅」下車。西口(C3出口)より徒歩約7分。正門(セントポールプラザ側)から真正面の建物4階。

地図:http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/

 

 

発表1. 「SoundCloud」における音楽受容を通してみるコンテンツの断片化

発表者:北村心平(武蔵大学社会学部メディア社会学科4年)

要旨:音楽SNSの出現や、DTMの発達によって自己表現が容易となり、楽曲制作者と聴衆の音楽を取り巻く環境は大きく変化している。

音楽SNSとは、ユーザーが製作した音源をそのSNS上に投稿して、リスナーに音源を聴いてもらうことができるシステムである。今回扱うSoundCloudは、システムの手軽さ、スピード感、音源の視覚化によってネットを介する双方向コミュニケーションによって人々の音楽受容をより断片的なものにした。

インターネットの流動性によって私たちは情報の選別を迫られるようになった。そのための効率化がこのSoundCloudにおける断片消費に現れている。

 

 

発表2. クリエイター奨励プログラム登場による動画コンテンツの変化と展望

発表者:泊晋(立教大学社会学部現代文化学科4年)

要旨:2011年12月、ニコニコ動画は創作活動支援や二次創作文化の推進を目的として「クリエイター奨励プログラム」を開始した。クリエイターが積極的に動画サイトに作品を投稿した結果、動画サイトとそこでヒットする動画はその性質を変化させていった。本研究ではクリエイター奨励プログラム稼働前後のニコニコ動画の流行、またそれが引き金となって生まれた諸問題に触れると共に、新たに実用化されつつあるニコニコ動画上のコンテンツビジネスについて検証する。

 

 

発表3. 洋楽ロックを聴く若者の聴取意識

発表者:木村翔太(武蔵大学社会学部メディア社会学科4年)

要旨:あなたには、洋楽を聴く人々がどのように見えているだろうか。昨今『洋楽離れ』という言葉に象徴されるように、日本の音楽産業の中では英米ポップスの苦戦が色濃く存在している。よって洋楽を聴く若者というものはマイノリティになりつつあるわけだが、彼らはなぜあえて洋楽作品に愛着を持つのだろうか。本研究ではインタビューデータを基に、この命題を『作品文化の社会学』より≪趣向≫≪人的交流≫≪正統性≫≪偶像性≫それぞれをキーワードにして論じる。そして文化作品が私たちに与える様々な心的機制について考えていきたい。

 

 

発表4. サウンドトラックからみる音楽の受容と記憶

発表者:川本歩(武蔵大学社会学部メディア社会学科4年)

要旨:人が音楽を受容した際に受ける感覚は、楽曲そのものの音楽要因に起因すると考えられてきた。つまりテンポや音調、旋律や演奏(アーティキュレーション)などである。しかし実際は人は音楽を聴くとき様々な「状況」に置かれている。それにも関わらず、音楽の好みの分析においてその「状況」に触れられることはほとんど無かった。本研究ではこの「状況」、つまり音楽受容の際の「記憶」に焦点を置き、サウンドトラックを好んで聴取する人へインタビューを行い個人的記憶を掘り下げることで音楽受容と記憶の関係性を調査した。 またインタビューの内容からサウンドトラックの聴取のされ方を5つの類型に分け、それぞれの受容のされ方と記憶の関連を考察する。

 

 

発表5. クラブという空間を巡って―アニソンクラブイベントの現在―

発表者:浅野裕貴(東京芸術大学大学院音楽研究科音楽文化学専攻芸術環境創造領域修士課程2年)

要旨:本研究は、アニソンクラブイベントにおける諸実践を分析し、空間や集団性に焦点を当てることで今日の音楽文化の特徴的な一側面を考察する。 DJがアニメソングを流すアニソンクラブイベントでは、”クラブイベント”と称しているにも関わらずクラブでみられる空間とはかけ離れている。では、アニソンクラブイベントが形成する空間は一体何なのだろうか。フィールドワークやインタビュー調査を通じて明らかにする。また、「界隈」に着目することで、アニソンクラブイベントの特徴的な集団性を記述する。

 

 

終了後、池袋近辺で懇親会を予定しております。こちらも奮ってご参加ください。

 

 

お問い合わせ

瀧戸彩花(関東例会担当委員)

12vt009p[at]al.rikkyo.ac.jp([at]を@に変えてご送信ください)

粟谷佳司(研究活動担当理事)

awatani[at]gmail.com([at]を@に変えてご送信ください)

 

 

2015年第1回中部地区例会

2015年第1回中部地区例会を下記の通り開催いたします。皆さまのご参加をお待ちしております。

日時: 2015年11月14日(土)13:30~17:30

会場: 愛知県立大学・県立芸術大学サテライトキャンパス

愛知県産業労働センター 15階

愛知県名古屋市中村区名駅 4丁目4-38(名古屋駅から徒歩2分)

http://www.winc-aichi.jp/access/

 

 

プログラム:

発表1 「タンゴ」をめぐる言説の史的考察 ――カルロス・ベガのタンゴ論に焦点を当てて――

遠藤健太(名古屋大学大学院国際開発研究科博士後期課程)

 

19世紀末葉にブエノスアイレスの場末で生まれたとされる「タンゴ」は、いまではアルゼンチン文化の象徴のようなものとして広く認知されている。 しかし、同国のナショナリズム的な言説のなかで、タンゴが常にこうした認知を得てきたわけではない。近代化の過程で流入した移民・外来文化の混淆という過 程のなかで育まれたコスモポリタンな文化であったタンゴは、むしろ、アルゼンチンの土着性とは対極に位置するものとさえみられ、大部分のナショナリスト知 識人の間では嫌忌すらされてきたのだった。それでは、タンゴ(に代表されるような「場末」の文化)をアルゼンチン文化の重要な一要素として認知し、それを 称揚さえする、今日に通ずるような言説というのは、いつどのようにして生じてきたのか。本発表では、まず、アルゼンチンにおけるこの種の「親タンゴ」的な 言説の生成・変遷の過程を概観する。そのうえで、「研究者」という立場からタンゴの社会的認知に貢献した音楽学者カルロス・ベガ(1898-1966)の 活動に焦点を当てて、彼のタンゴ論の内容とその歴史的意義を考察したい。

 

 

発表2 大正期にみる子どもの音楽会について

葉口英子(静岡産業大学経営学部・准教授)

 

日本では、明治末期以降、劇場主催の歌劇・音楽・唱歌を含む子ども向けの音楽会や演奏会(聴取者、演奏者が子どもである音楽に関連した集会)がおこなわれるようになる。こうした‘子どもの音楽会’は、大正期には、童謡運動の高まりもあり、劇場をはじめ、児童雑誌の出版社、全国各地の童謡・童話研究会、新聞社、学校、地方自治体といった多くの組織や団体が開催する現象となった。本報告では、大正期にみる子どもの音楽会に着目し、その内容を調べ、概要を明らかにすることを目的とする。とりわけ、児童雑誌や少女雑誌が主催した音楽会に焦点をあて、演目にみられる特徴、少女と音楽の結びつき、家庭音楽という新しい価値観、新中間層の出現と家族の娯楽といった問題に触れながら、考察をすすめる。

 

懇親会:

例会終了後、懇親会を名古屋駅周辺で行います。参加費用は3500円前後を予定しています(食事と飲み物を含む)。参加希望の方は11月7日までにポープ(メールアドレスは下記)にご連絡ください。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください):

エドガー・W・ポープ(研究活動委員・中部例会担当)pope[at]for.aichi-pu.ac.jp
粟谷佳司(研究活動担当理事)awatani[at]gmail.com

 

 

2015年度 第2回 関東地区例会開催のお知らせ

2015年度第二回関東地区例会を下記の通り開催いたします。皆さまのご参加をお待ちしております。

書評会:柴那典『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』書評セッション

日時:10月18日(日)14:00-17:00
会場:立教大学池袋キャンパス 11号館A303号室
アクセス:JR各線・東武東上線・西武池袋線・東京メトロ丸ノ内線/有楽町線/副都心線「池袋駅」下車。西口(C3出口)より徒歩約7分。正門を入り時計台のアーチを抜けると右手前方に見えるガラス張りの建物。
地図:http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/

 

登壇者(以下敬称略)
著者・柴那典(ライター、音楽ジャーナリスト)
評者・井手口彰典(立教大学社会学部准教授)
原島大輔(東京大学大学院総合文化研究科博士課程)
司会・瀧戸彩花(立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科博士課程)

 

 

――新しい文化が生まれる場所の真ん中には、インターネットと音楽があった。2007年、初音ミクの誕生と共に始まった三度目の「サマー・オブ・ラブ」とは ――(「BOOK」データベースより)。

「初音ミク」を巡る大きな潮流を見つめ続け、その歩みを生みの親や周辺関係者、ボカロPへのインタビューを基に検証し、ゼロ年代の日本の音楽シーンと社会背景を語った著書『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版,2014)の書評セッションを開催いたします。
ネットにおける音楽シーンを語る上で、今や切っても切れない存在となった「初音ミク」。2007年に誕生してから今日に至るまでに、単なるツールやソフトウェアといった枠組みを超え、様々なコンテンツとのコラボレーションにより「音楽の新しいあり方」を提示し続けてきました。人々の生活や価値観にまで影響を与えるボーカロイドについて今一度議論することは、過ぎ去ったゼロ年代を振り返り、新たな音楽の可能性を作り出すことにも繋がるのではないでしょうか。本例会の議論が、21世紀の音楽の指針を更に深めるものとなれば幸いに存じます。
著者の柴那典氏に加え、評者として同人音楽の研究で知られる音楽社会学者の井手口彰典氏と、ネットワーク音楽に詳しい情報メディア研究者の原島大輔氏が登壇します。

終了後、池袋近辺で懇親会を予定しております。こちらも奮ってご参加ください。

お問い合わせ
瀧戸彩花(関東例会担当研究活動委員)
12vt009p[at]rikkyo.ac.jp([at]を@に変えてご送信ください)
粟谷佳司(研究活動担当理事)([at]を@に変えてご送信ください)
awatani[at]gmail.com

 

 

2015年度 第3回 関西地区例会(特別例会)開催のお知らせ

(日本音楽学会西日本支部第28回(通算379回)例会と合同例会)

 

日本音楽学会と合同で特別例会を開催します。みなさまのご参加をお待ちしています。

 

日時:10月3日(土)15:00〜17:30
場所:京都精華大学ポピュラーカルチャー学部 友愛館Y-005
 

 1.(研究発表)白石知雄「大栗裕の採譜の実際 – 「大栗文庫」所蔵資料の2015年度再調査報告を中心に」
 

発表者は、船場島之内出身の作曲家、大栗裕(1918-1982)の自筆譜等を集約した大阪音楽大学付属図書館大栗文庫の移転(移転先は近日発表予定)に先立ち、準備作業として本年4月から所蔵資料を再調査する機会を得た。この発表では、新たに発見された管弦楽のための組曲「雲水讃」(昭和36(1961)年文部省芸術祭参加作品)の草稿(京都吉祥院六斎念仏の録音を採譜した楽譜帳)の概要を紹介し、没後「大阪のバルトーク」と喧伝されることすらあったこの作曲家の民俗的な素材の取り扱いの実態と、その意義を批判的に考察する。
「雲水讃」(初演稿全3楽章の第1、3楽章、改訂稿全2楽章の第2楽章)は、吉祥院天満宮大祭(毎年8月25日)の芸能を、おそらく委嘱元である朝日放送の協力を得てオープンリールテープに収録して、その音源を採譜した素材にもとづいて作曲されている。発表者の調査では、大栗裕がバルトークに擬せられる発端、遠因はこの作品であった可能性が高い。
しかし各種資料を照合すると、録音の取り扱いにはいくつかの不備が認められる。
日本の伝統芸能に立脚した創作を主張する武智鉄二(1955年の歌劇「赤い陣羽織」の演出家)の感化、1956年の「大阪俗謡による幻想曲」の成功を受けた続編的な新作への期待、ラテン音楽(ニューリズム)の流行に煽られて「和製サンバ」と評された京都の六斎念仏への注目度など、このような作品が書かれねばならない外的条件が整い、いわば外堀が埋められた状況で、作曲者は半ば意識的、半ば無意識的に課題をやり過ごし、身を翻したように見える。
 新技術(テープ録音)が投入された晴れがましい企画を曖昧に切り抜ける態度は、作品の欠陥、当事者の能力不足を疑わざるを得ないが、難局に直面した売れっ子ならでは図太さ、しぶとさが、創作を次の段階へ推し進める。本作以後、大栗裕に自ら取材・録音した音源を用いた作例はない。発表者はこの作品を、失敗することに成功した作曲者の転回点と位置づける。

 

 2.(話題提供)安田昌弘「音楽と場所」

 

 特定の場所と結びつけて語られる音楽は多いが、その結びつき方は一様ではない。ある場合にはそれは、音楽的要素によって説明されるが(例えば特定の音色や音階、韻律が特定の場所と結び付けられる)、他の場合では社会的/文化的背景によって説明される(そこでは音楽は、特定の時代・場所における政治的・経済的・文化的状況の表現とされる)。このようにして考えると、音楽と場所を結びつける根拠は一貫性を欠き、場合によっては恣意的にさえみえる。それにもかかわらず、我々は音楽と場所を結びつけることをやめようとしない。それはなぜか? 本発表では、主にデヴィッド・ハーヴェイの空間分類とその間の相互介入という議論を参照し、音楽と場所の結びつきについて改めて検討する。

 なお、12月に京都精華大で開催される日本ポピュラー音楽学会全国大会では、京都という具体的な場所を対象とし、「音楽と場所」について多面的に検討するシンポジウムを開催する。本報告はその予告として位置付けられる。

 

※例会終了後、京都精華大学ポピュラーカルチャー学部の録音スタジオ「Magi Sound Studio」の見学会を行います。

 

お問い合わせ([at]を@に変えてご送信ください)
 太田健二(関西例会担当研究活動委員) otakenji[at]shitennoji.ac.jp
 粟谷佳司(研究活動担当理事) awatani[at]gmail.com